第三百四十話 回収も忘れずに
ハズレと告げられた回答者さんは、この世の終わりのような形相で次の問題を取りに走って行きました。恨むならスタッフさんを恨んでくださいね。
入れ替わりで息をきらせた女の人に紙を渡されました。今度はハズレではなく問題が書かれています。
「問題。雪山等で地吹雪等により視界が真っ白になることを何と言う?」
時間が過ぎます。ど忘れしてしまったようで、答えたくても答えられないというもどかしさが痛いくらいに伝わってきます。
「残念、正解はホワイトアウトでした」
「ああっ、そうだったわ!」
がっくりと項垂れながらも走っていく回答者さん。知っていても緊張で出なかったようです。
走っては紙を拾い、答えてはまた走る。1人、また1人と勝ち抜ける人が現れ残った人に焦りの色が浮かびます。前に間違えた女の人が紙を出しました。この問題を正解すれば最後の勝ち残りに滑り込みとなります。
「問題、北米を横断するこのクイズ。記念すべき第一回の参加者は何人?」
「404人!」
「・・・正解です、おめでとうございます!」
無事に正解し、勝ち抜けを決めた正解したお姉さんはへたりこんでしまいました。因みに第一回は「本当にアメリカに行ける筈がない」と思われ参加者が少なかったそうです。
「勝ち残った皆さん、おめでとうございます。敗者の皆さんは、これから罰ゲームです!」
クイズは終わりましたが、この番組はそこで終わりません。朝霞さんが敗者の皆さんを地獄へと誘います。
「敗者の皆さんには、散らばった出題用紙を回収していただきます!」
散々走り回った敗者の皆さんに、更に用紙を拾って歩けとは鬼畜なスタッフさん達。しかし、罰ゲームになるうえにスタッフさんたちは回収しなくて済むという一石二鳥の策なのです。
スタッフさんが楽をするために採用されたような気もするのですが、誰かがやらなければいけないので生け贄になってもらいましょう。
その後、カメラを止めた後スタッフさんも加わって回収作業に勤しみました。私も参加しましたが、このクイズは封印した方が良いと思いました。後片付けが大変すぎます。
敗者をバスで送り出し、勝者は次のクイズへと向かいます。更に東へと走ること1日、次のクイズ予定地に到着しました。
早押し機の前に座る回答者さん達。横には洋服タンスくらいの物体が幕を掛けられた状態で置かれています。
「皆さん、後ろをご覧下さい。あの荒野の向こうにあるのが有名なエリア51です。」
米軍が墜落したUFOを解析している、地球産のUFOを作っている等の噂がある有名な基地です。本来は軍の兵士が周囲を見回り、撮影を取り締まっていますが私達は正規の許可を得ています。
「そこで、今回のクイズはこれです!」
「名付けてUFOクイズ!1問正解すると1回UFOキャッチャーを出来ます。見事ヌイグルミをGETした先着3名が決勝に進めます!」




