第二百九十五話 レポートは恙無く
その後も予選は続き、10人程の完走者が現れ終了しました。次のステージは走ったままではクリア出来ないでしょうし、詰む場所で皆終る筈です。どうやって優勝を決めるのでしょうか。
「では2次予選のスタートです」
再びゲームが開始されました。先程と同じステージなのですが、キノコやカメさんが黒い火の玉が効かない敵に変わっています。
動きも早くなっていたため、突破出来たのは3人だけでした。当然のように我が妹もその3人に入っています。
「では決勝を始めます。決勝にゴールはありません、死ぬまでのタイムを競って貰います」
皆が注視するモニターに映し出された決勝のステージは、意外なことに海の中のステージでした。しかし、色あい等に違和感を感じます。何故でしょう?
「おい、あれって・・・」
「幻のW9-1だ!」
観客のざわめきに画面上方を見ると、確かにワールド表示に9-1の文字がありました。しかし、このゲームは全8面だったと記憶しています。
「あれ?配管工さんのゲームってワールド8でクリアじゃなかった?」
「あれは禁断のワールド9だ。あれを出す方法は2つ。1つはW1-2のワープ土管に特殊な入りかたをする」
壁すり抜けというバグを使い土管に入る事でこのステージを遊べるそうです。私は真っ当な方法でクリアしていたので知りませんでした。
「もう1つはテ○スのカセットで遊び、電源を切らずにスーパーマ○オのカセットを入れる」
「え?電源を切らなかったら壊れるんじゃないの?」
「低い確率で成功したらしい。勿論壊れる事もあったらしいから推奨はされなかったな」
そこまでしてやりたいのでしょうか。何かに執着するという事を知らなかった私にはわかりません。
海中ステージで右ボタン押したままというのは辛いのか、挑戦者は次々と撃沈されゴールには誰も辿り着けまんでしたた。生き残った時間で優勝が決まり、由紀は3位入賞を果たしました。
「これ、個人的には使いたいけど・・・」
「使えるかしらねぇ」
スポンサー以外の企業のゲーム紹介になってしまいますし、版権の問題もあります。その会社の法務部は最強と名高いので、万が一のことにも争う事になるよえな真似はテレビ局もしないでそょう。
ちなみに、明日のイベントは日本中を回って物件を買ったり目的地を目指したりする双六ゲームを使うそうです。
その後は特に挙げる事もなくお祭りの風景を紹介して撮影は終了しました。
「お疲れ様でした!」
「「「お疲れ様でした!」」」
スタッフの人達と別れワゴン車に乗ります。走り出したワゴン車の中でユウリから遊に戻り、人のいない場所で下降ろしてもらいました。
「さて、純粋にお祭りを楽しみますか」
何もたべていないので、小腹がすきました。食べ物系の屋台を順に物色していきます。
ピーチ焼きそばにピーチお好み焼き、チョコピーチ・・・
チョコピーチはチョコバナナの桃版みたいです。他はちょっと食べる気がしません。
食べ物は後回しにします。家族と合流する事を優先し、食事はその後食べれば良いのです。




