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第二百四十話 年齢詐称疑惑

お待たせしました。

「いらっしゃいま・・・」


 大好きな朝霞さんを目の前にした由紀は悲鳴をあげると予測。その被害を軽減する為に耳を塞いでいたのですが、その悲鳴が聞こえなません。


 不審に思いリビングに戻ると、入り口で戸惑う朝霞さん。正面には右手を頭の上に左手を胸の前で水平にし、左足を水平に上げた由紀が硬直していました。


「器用なポーズで固まってるわね」


「まだ若いだろうに、イ○ミとは懐かしいものを知ってるね」


 どうやら由紀がとっているポーズは古いアニメのキャラクターのようです。朝霞さんはしきりに懐かしがっていますが、年上の朝霞さんが懐かしがるようなアニメを知っている由紀の実年齢を疑いたくなります。


「時々、この子の方が年上なんじゃないかって思う時があるんですよ」


 ため息をつきつつ、友子謹製の鞄から特大ハリセンを取り出します。両手で構え、左足を軽く上げます。上げた足を踏み込むと同時に腰を捻り、上半身に伝えたエネルギーをハリセンに込めました。

 スパーン!と小気味の良い音を響かせてハリセンは由紀の後頭部にクリーンヒットしました。


「一本足打法を知ってるなんて、ユウリちゃんも妹さんの事を言えないんじゃないの?」


「これ、野球を習った時に当時のコーチに教わった打ち方ですよ。振り子打法の方がお好みですか?」


 などと雑談していると由紀が再起動しました。なので不要になるハリセンを鞄にしまいます。


「ユウリちゃん、何処からどう見てもそのハリセンは鞄より長いよね。何で入るの?」


「機密事項です」


 由紀に教わった誤魔化す呪文でごまかします。もっとも、私も知らないので説明しようにも説明出来ませんが。

 これをくれた友子はどこからこんな鞄を調達してくるのでしょうか。まさか、彼女の自作って事は無いと思いますが。


 不思議な道具を調達してくる親友様の事を考えていると、復活した妹様が詰め寄ってきました。


「お姉ちゃん、朝霞さんを連れてくるなんてどうしたの?まさか、朝霞さんがお義兄さんに!」


「「ちゃうちゃう」」


 ニ人揃って手を振り否定します。伊達に一緒に司会はやっていません。息はピッタリです。


「偶然ユウリちゃんの学校に司会の仕事で呼ばれてね。折角なので北本先生にご挨拶にお邪魔したんですよ」


「そういう理由だから、お父さんとお母さんが来るまでお相手お願いね」


 予定より大幅に遅れましたが着替えに自分の部屋へと戻ります。朝霞さんもいるし、ユウリの姿になりましょう。

 身支度を整えてリビングに戻ると、既にお父さんとお母さんも座っていました。挨拶は済ませていたみたいで、談笑しています。


 喜色満面な由紀は胸元に色紙を抱いていました。チャッカリとサイン貰ったようです。私は自分のコーヒーを用意して席に座りました。

作者も義兄に「実は年上だろう」とよく疑われました。

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