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第二百二十二話 年末進行

「ほら、ユウリちゃん走って!」


「速度上げてもいいですけど、着いてこれます?」


 桶川さんを引き連れ疾走します。私的にはもう少し早く走っても良いのですが、桶川さんが限界みたいなのでこれ以上速く走れません。


「ユウリちゃんさえ間に合えばいいの。私に構わずに行きなさい!」


「では遠慮なく」


 お墨付きが出たので加速しました。運動系もこなしたこの身、瞬発力にも持続力にも自信はあります。


「って、はやっ!加速装置でも積んでいるの?!」


「人を改造された九人の戦士みたいに言わないで下さい。そんな物は積んでいません」


 24気筒V型セラミックエンジンは積んでいますが、加速装置は積んでいません。因みにターボチャージャーも搭載しています。


「すいません、遅れました!」


「間に合ってるから大丈夫。この時期は皆遅れるわよ」


 収録スタジオに入ると、出演者の女性がそう言ってくれました。

 今日は脳力試験の収録日です。前の仕事が押してしまい、入る時間がギリギリになってしまいました。


「まだ来ていない解答者もいるからね。特番の撮影が目白押しだからなぁ」


 朝霞さんは苦笑いしています。彼もスケジュールが詰まっていて大変なのでしょう。駆け出し声優の私が忙しいくらいなのです。ベテランで大御所の朝霞さんや蓮田さんは目の回るような忙しさでしょうね。


 少しして解答者も揃い、収録を開始しました。年末特番で時間がかかりましたが、無事に終了しました。


「あれ、代マネまだ来てないな。」


 朝霞さんが困ったように呟きます。朝霞さんのマネージャーは今産休をとっていて、代マネが付いているのですが仕事はイマイチのようです。


 事務所に用事で戻っていて収録終了前には来る予定だったらしいのですが、まだ到着していません。


「朝霞さん、次はイベントのリハーサルでしょ、一緒に行かない?」


「えっ、良いんですか?」


 クリスマスイブに悪なりのイベントが予定されていて、そのリハーサルをこの後やることになっています。朝霞さんと私はそれに出る予定です。


「どうせ私達も同じ場所に行くんだから構わないわよ。ユウリちゃんもいいわよね」


「勿論ですよ。断る理由がありません」


 朝霞さんにはいつもお世話になっているので、私に否やはありません。大体、この仕事のきっかけを作ってくれたのも朝霞さんです。


「それじゃあお願いします。ああっ、男性陣の嫉妬の視線がっ!」


 朝霞さんのおどけた言い方にスタジオ内が笑いに包まれました。藁人形と五寸釘を持ったスタッフさんも居ましたが、使い道は考えないようにします。

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