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第二百十六話 明けて翌日

 そして翌昼。翌朝ではありません、翌昼です。リビングのソファーにて満足そうに眠る友子と由紀。ようやく満足して眠ってくれました。


 よく「秋の夜長」と言うけれど、一言物申したい所です。秋さん、もう少し夜を短くしてもバチは当たりませんよ?夜から朝どころか、昼まで付き合わされた私の身にもなってほしい。


「遊、秋に八つ当たりしてないで、寝た方が良いんじゃないの?」


「あれ、口に出してた?」


 全く自覚がありませんでした。それはそうとして、秋だけでなくお母さんにも言いたい事があるのです。


「お母さん、逃げたわね?」


 クラウン役の事を黙っていたのは、お母さんとお父さんも同罪です。なのにさっさと書斎に避難して助けてくれませんでした。


「付き合うって決めたのは遊でしょ、この後大変なんだから早く寝なさい」


 今日は完全に仕事はオフです。なので友子に今日は正体探しに付き合うと約束をしていました。


「遊、意識が半分寝てるわね。クラウンの事バレたのだから、世間が騒がない訳ないわよ」


 ・・・そうでした。あれだけ注目されていた謎の声優Xの正体。それがバレた以上何らかのアクションがあるはずです。

 となると、その対応に追われる事になるので今のうちに体力と気力を回復させる必要があります。


「お母さんありがとう、おやすみなさい」


 部屋に行く気力などあるはずもなく、私もソファーで眠りにつきました。そして一眠りし、思考もクリアになりました。

 テレビをつけるとお母さんの言う通り、ワイドショーはその話題一色でした。


「なんか、他の話題は無いの?って聞きたくなる程にこの話題一色ね」


「お姉ちゃん、無理ないわよ。あれだけ話題になった謎の主人公が判明したんだよ」


 由紀はそう言いますが、漫画やアニメに関心ない人にすれば「それで?」で済む話です。以前の私ならばそういう反応をしたでしょう。

 大衆向けではないニュースをこうも大々的にやるのは、私が思うよりオタクが多いのかその影響力が大きいからなのか。


「まぁ、そんな訳だから緊急で会見するわよ。ユウリちゃん、準備急いでね」


「桶川さん、いつからそこに?」


 いつの間にやら入ってきていた桶川さんに由紀は盛大に驚きました。しかし、私は桶川さんに気付いていたので特にリアクションは起こしません。


「他の話題は無いの?って辺りね。そっと入ってきたみたいだから、由紀は気付かなかったのね」


「折角ユウリちゃんを驚かそうと思ったのに」


 子供みたいに拗ねる桶川さん。大手芸能事務所の社長なのだから、そんな真似しないでほしいです。私を驚かせるならば、気配遮断のスキルレベルをもっと上げる必要があります。


「準備してきます。少しだけ待って下さい」


 由紀と桶川さんを残して自室に戻ります。因みに、友子は家族に無断で突撃してきたようで起きた後鬼のように入っていた親からの着信に恐れ戦きながら家へと帰りました。

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