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第百二百十三話 着ぐるみイベント

「司会者特権です。羨んで下さいね。さて、ここで作者の北本先生に登場してもらいましょう!」


 観客から蓮田さんにブーイングが飛ぶも、全く気にしない蓮田さんに呼ばれてお父さんが登場しました。いくつかの質問を蓮田さんにお父さんが答え、作品に関係ない質問(特に長女に関する質問)にしどろもどろになっていました。


 その後悪の一味ダイカーンの戦闘員と立ち回りをしたり、友子が入った宇宙人リーアンの着ぐるみも登場したり。

 お父さんのサイン会とスペース鎧武者の握手会でイベントは締め括られました。私と友子は満場の拍手に送られて控え室に戻ります。


「疲れたわ、もうやりたくないわね」


「友子はまだ良いわよ、後半からだったじゃない。私なんかフルのうえ殺陣までやったのよ」


 時間で倍以上、内容も濃いので疲労度は友子の比ではありません。そのぶんお手当ても違うのですが、それは言わないお約束です。


「遊は鍛えてるじゃない。私は普通の女子高生よ?」


「私も普通の女子高生なんだけど・・・」


 反論した私をジト目で睨む友子。私、何か変な事を言ったでしょうか?


「運動系の習い事をあれだけ修めていて、どの口がそれを言うのよ。公共広告機構に訴えられるわよ?」


 友子さん、公共広告機構よりもJAROの方が通りが良いです。今の世の中、正式名称よりも英字を使った略称の方が認知度は高いのです。


「それはそれとして、早く着替えないと。汗もかいたし、お風呂に入りたいわ」


 幸いこの後に仕事は入っていません。帰ってのんびりしたいのですが、そうは問屋が卸しませんでした。


「北本先生、お疲れ様でした。先生、このお嬢さん方はどちら様で?」


「蓮田さん、お疲れ様でした。この子達は内臓を担当してくれた子だよ」


 早々に帰る予定が、挨拶に来た蓮田さんに捕まってしまいました。バレないとは思いますが、最低週一で会っている蓮田さんに北本遊として会うのは避けたかった所です。


「初めまして。スペース侍の内臓を担当しました北本遊です」


「大ファンの蓮田さんにお会い出来て光栄です。宇宙人の内臓をやりました岡部友子です。サインお願いします!」


 相変わらず何処から取り出したのか分からないサイン色紙とサインペンを差し出す友子。蓮田さんは出所不明な物品を受け取り、サラサラとサインをして友子に返しました。


「北本ということは、先生の長女さんですか」


「ええ。遊は剣術の心得があるので内臓を頼みました。今時殺陣をこなせる人材は少ないですからね」


 北本家の次女である由紀はテニスで名と顔が売れているので、私が次女ではない事はすぐにわかります。なので蓮田さんは私が長女とすぐに分かったのでしょう。


「動きにくい着ぐるみを着てあの動きだったので、プロに依頼したのかと思っていました。由紀さん同様運動神経が優れているのですね」


「いえ、遊は学問に力を入れていまして。地元の進学校でトップの成績を修めているのですよ」


「建前上はそうだけど、運動神経でも遊には由紀ちゃんも叶わないと由紀ちゃんが認めているけどね」


 本人の目の前で誉められると、何とも言えない気分になります。それと友子、小さい声で呟いても聞こえています。後でどんなお仕置きをしましょうか。


 少々の雑談を終えると、蓮田さんは満足したのか帰っていきました。妙な事から行う事になったイベントも、無事に終了です。

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