ドラちゃんって言っても赤だよ!青じゃない!
ドラゴン声かわいいなぁ。
もう死ぬって思ってるいろいろ諦めモードの僕が最初に思ったのはそれだった。
「ドラゴン声かわいいなぁ。」
あっ声に出てたwまぁいっかもう死ぬっしょ?よし少しでも多くかわいい声聞いてから食われてやろ!
「ななな、何言ってんのよ!!か、かわいいわけないじゃない!誰もが恐れるドラゴンの中のドラゴン、そう私こそドラグニカ・ド・ドラグニカよ!!!」
「やっぱかわいいなぁ〜。怒って声荒げてるのもたまらないや!でも名前がなぁ〜ドラグニカ被りってwあっドラちゃんなんてどう?w」
「あんた私をなめてるわね!あなた諸共ここ一帯を消し飛ばすのは簡単なのよ!!少しでも長く生きていたければ早くそのコアを渡してひれ伏しなさいよ!」
僕は見下ろすドラゴンのドラグニカ改め、ドラちゃんがここ一帯を消し飛ばす力もあることも、いつ自分が殺されてもおかしくないのは分かっているはずなのに、まるで小さい女の子が無い胸を突き出し、虚勢を張ってるようでなんか愛おしく感じてしまう。
たぶん諦めモードだから死の恐怖を感じにくいのかな?すごいな諦めって。
「コアってこの光ってる玉のこと?ドラちゃんはこれがほしいの?」
「ドラちゃんって呼ぶんじゃ無いわよ!!そうよ!そのダンジョンコアを早く渡しなさい!ダンジョンコア自体には興味ないけど、滅多に見る機会がないから私が貰ってあげるわ!」
ダンジョンコアって、よくある異世界転生系のライトノベルでダンジョンの核として働いて、いろいろ便利機能を備えたあれか!てことは僕はダンジョンマスターなのか?
そうだったら、ラノベみたいに便利機能を駆使して贅沢三昧、ハーレムライフも夢じゃないんじゃなか!?よし!そうと分かれば諦めモード終了!!
僕は、素早く立ち上がって地面に転がりぼんやりと怪しく光る玉、ダンジョンコアに手を伸ばした。
でもやっぱ人生そんな甘くないね。もう嫌になる。
手がダンジョンコアに触れた瞬間、脳みそを直接握り潰されてるんじゃないかってぐらいの衝撃が脳を駆け巡り、のたうち回った。
そして意識を失った。うんびっくりした。