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羽ばたけない天使  作者: 星海 あい
第1章 天界で暮らそう
2/3

02 天使様の歓迎

 遅くなってしまってすみません。

申し訳ないです。



「 ようこそ。神々に近き世、神々の使いが住む世へ。」


 その声に、ハッと意識が覚醒した。

そのとたん、辺りに溢れる眩しい光に目が眩んで、思わず目を細める。


 少し慣れてきた目に映ったのは、優しい光が照らす2体の大きな純白の像。男か女か判らない、中性的な人の像だ。

 その2体の像の間には、淡く黄色に輝く1つの大きな魔方陣があった。足元の床は硬く、恐らくは石で出来た床らしい。


 いつの間にか私は、厳かだけれど解放的な広い部屋に立っていた。


 一瞬それらの美しさに惚けてから、今更ながらにハッとして声の主を振り返る。そしてまた、ぽかんと惚けてしまう。


 そこには、この厳かな空間にとても似合う美しさを持った人が立っていた。


 エメラルドのような輝きと色をしたアーモンド型の瞳は金色の睫毛に縁取られている。やや薄いけれどふっくらとしたハリのある桃色の唇、スッと鼻筋が通っていて小ぶりな鼻や、形の良い眉。それらがその人の小さな顔に、これ以上ないほど完璧な位置に配置されている。


 どことなく女性らしさのある顔だけれど、その凪いだ瞳が中性的に見せていた。


 ゆったりとした白い衣装は地味なのに、ゆるくウェーブのかかった白に近い綺麗な金髪が代わりに華やかさを添えていて、白い衣装に金髪がよく映えている。

 そしてその背には、折り畳まれた状態の大きな純白の羽があった。“ あぁ、天使なんだ ”と自然に悟る。


「 サトミ、貴女の生前の行いと魂の清らかさが、この天界へ迎えるにふさわしいものと認められました。よって私、天使レシュカレティアが貴女を歓迎します。」


 そう名乗る声は、意識が薄れる前に聞いた声と同じだった。

微笑を浮かべる天使様に思わず見とれていると、天使様はおもむろに祈るように手を組む。


「 新たに迎えし魂に、我ら天使の加護を。その清き魂に、どうか神々の祝福を。」


 天使様の朗々とした言葉が響きわたる。


 すると、魔方陣に向かって天から穏やかで小さな光の粒が降ってきた。その光の粒は一度魔方陣に降り注ぎ、次いでこの部屋にぶわっと広がっていく。


 光の粒が私の体をさぁっと通り抜けると、自分の心が充足感で満ちていくのを感じた。光の粒はひとしきり広がると、キラキラと輝きを放ちながら儚く消えていく。


( うわぁ、綺麗…!)


 浮世離れな環境で、天使様の歓迎を受けている。死んだ自覚はあれどやっぱり多少混乱していた私は、天使様の歓迎でやっと心が落ち着いた気がした。


「 迎え入れてくださって、ありがとうございます。」


 迎え入れてくれたのだからお礼をしないと、と冷静になってお辞儀をすると、天使様の穏やかな笑みが深くなった。

 それはまさに、天使の微笑。どんな美人でも敵いはしないだろうと思わせる美しい笑みに、クラっとしてしまう。


 そんな私を、天使様の声が引き戻した。


「 では、これからの事を説明します。場所を移るのでついてくるように。」

 

 優雅に歩きだした天使様の後を追いかけて、広間から出た。霊らしく宙に浮いて移動、なんてことはなく、普通に歩いてついていく。


 ただ、なんだか生前よりずいぶん体が軽く感じた。

普通に動いているけれど、床を踏む感覚や体を動かしている感覚、それに体を動かす疲労を感じないのが不思議だった。


 この変化に慣れるのは、少し時間が掛かりそうだ。

 読んでくださりありがとうございます。

更新が遅くなってしまって申し訳ないです。

「マイペースにも程があるだろ!」と自分にツッコミたい…。


 里美がレシュカレティア様に歓迎されました。

次回は、レシュカレティア様による天界の軽い説明です。


 誤字・脱字、おかしい表現や描写などがありましたら、ご指摘くださると嬉しいです。

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