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【短編独立集】闇鍋  作者: トネリコ
文学?
25/39

隣の芝生は青い

 

 なぁ、何でもはっきり言ってくれる奴ってどう思う?

 まぁ適当に流してくれていいからさ、取り敢えず聞いてくれよ

 俺さぁ、こうどっちかって言うとうじうじ考えて結局何も言わねぇタイプだろ?

 うるせぇ揶揄うんじゃねぇよ

 でさぁ、なんつーか、はっきり言うタイプの奴に憧れてたわけ

 あーそうそう、そいつとかな。ぐいぐい引っ張ってくれるじゃん

 発表とか、遊びとかでもリーダー張っててさ

 あとは…「お前のそういうとこ嫌いだわ」とかさ、俺なら嫌なとこあっても飲み込んじゃうし

 別にそれを言いたいわけじゃないけど、俺だったら絶対言えねぇからやっぱすげぇなーとかな

 単純馬鹿? 俺もそう思うわ

 隣の芝生は青い? さっき習ったの使ってみたかっただけだろ、お前のほうがばーか

 ばかって2回言った方がばかだからな

 じゃなくて、この前さぁ、実際さっきの言われてる奴が居たところを見たわけ

 そうそう、掃除ん時にそいつが言ってて

 そうだよ、一昨日から休んでるだろ? もしかしてそれが理由なんじゃないのかってな

 気にしすぎ? まーそれならいいんだけどさ

 そうなんだよなぁ、案外さ、言った奴の方がそういうの気にしてないよな

 うげ、気付いてないか、言ってもいい奴と思っているか、他人を気にしないだけか…

 なんか嫌に聞こえる選択肢ばっかだな

 んでさぁ、こーいうの見ててなんかもやもやってしたわけ

 お前ってだいぶズバッと言うよな。確かに、相手のことを考えないなら無神経になるのか

 そう考えるとさ、はっきり言うタイプになるのも難しそうだなって思ったわけですよ

 おま、ムリとか断言すんなよ、やれば出来るかもしんねぇだろ?

 うっ、今この時はノーカンだろ

 なれないって分かってる程憧れるんだよなぁ、はぁ…

 うっし、んじゃちょっくら行ってくるわ

 職員室職員室、来週テストだしプリント無いときついだろ。お前あいつん家知ってる?

 

 


「ま、お前の芝生に憧れてる奴もいるんじゃねーの?」

「は? 何か言ったか?」

「お前の話聞いてやったんだしテスト範囲教えてくれ」

「お前さっきの寝てたな」


 



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