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【短編独立集】闇鍋  作者: トネリコ
エッセイ風
20/39

色ガラスの言葉

 

はい、エッセイなんて久しぶりで少し照れてしまいます(笑)

つれづれにっきで書いていた様に、少し砕けたこんな調子で書いていきますね。

さて、トネリコがふとこうして書こうと思った機会がありまして、というのも最近一つの質問をされたのです。


 あなたの心に残った言葉は何ですか?


日常ではなかなか投げかけられない質問ですが、質問としての新鮮さは無い、そんな質問。

状況説明は省きますが、この質問でぱっと思い浮かんだのはたった一つでした。

他の人にはなんでもない言葉で、言った本人ですら忘れている始末(笑)なんですが、

トネリコにとっては青くさい様な照れくさい様な、それでもこどもが砂浜で拾った宝箱にしまい込む色ガラスの様な、思い出補正やこどもの純粋さの無い今の自分が手に取ると少し不格好に見える、それでも自分にとって褪せない美しさを持つ、そんな大切な言葉です。

あはは、この時点で若干青臭くて照れ笑い気味です(笑)

このエッセイを書いている理由は、少し残しておきたいなと、自分がボケちゃって(笑)忘れちゃった時に見返したいなぁと思ったのと、あなたにとっての、ふとそういえば時折思い出す言葉があるなぁや大切に想う言葉を、そっと見つめ返すそんな機会になれればと思ったからです。

ゆってもそんな大それた感じじゃないのですけれどね!(笑)

まだ出会えていない人、見落としてしまった人が、出会えるよう、見つけれるよう、ふと道端の花にそっと目をやれるそんな機会にこのエッセイがなれれば、こんな幸せなことはないだろうなぁと思います(笑)


はい、前書きが長くなってしまいましたが、本題に入りましょうか(笑)


皆さんは、ゲームをしたことがありますか?

おそらく、世代的に大抵の人が「ある」と答えると思います。

トネリコもその一人です。はい、ちびっこの時からめちゃんこ遊んでいるのですよ!(笑)

その時に、一度はこういう経験をしたことがありませんか?


 セーブデータが消える


…やっちまったという地獄ですね(笑)

ペカチュウでは悲しい思いをよくしました(笑)


はい、私が小学生の時、自分の不注意でセーブデータを消してしまいました。

頑張っていただけに、その努力が全部消えてしまう、それはこどもながらに虚脱感とちっちゃな絶望感を味わいました。自分に怒ってムダにいらいらしたり、ゲームを布団に投げたりして発散してましたけど(笑)我ながらこどもこどもしちゃってます(笑)


そして、こどもだからでしょうね、浮かんできた一つの疑問に取り憑かれ、頭がいっぱいいっぱいになって一人恐怖しました。



 消えてしまった自分の時間はどこへ行ってしまったのだろう?



ぽんっと、自分が持っていた時間が、残していた成果が無くなる。


それは、どうしようもないほど、とてつもない不安を心にもたらしました。


人によっては、たかがゲームで何言ってんだって話ですよね(笑)でも、これは自分にとって大事な問だと、こども心に直感し、だからこそその解を求めることに執着しました。

こどもにとって、自分で考えても分からないことは、大人や周りの友達に答えを教えてもらうことで悩みを解決すればいいんだ!となります。

なんでも知ってる、解答を持っているように大人の人が見えてました(笑)

今大人と呼べる年齢になって、そうじゃないんだと、こどもの延長線上に大人がいるのだと、自分の未熟さ加減と理想と現実に少し苦笑い状態ですけれど(笑)


話が逸れましたが、素直に友達や大人へと疑問を投げかけることにしました。

大人といえば、学校の先生や塾の先生、学童の先生や両親です。

…こうみると先生ばっかりですね(笑) 先生という言葉と地位の、こどもにとっての影響力です(笑)


さて、そんな大人や友達に投げかけた質問の答えは以下の感じでした。

「どんまい、もっかいやるしかないよな。やったことあるわ」

「どうしたん? なんか難しいこと考えとるね」

「気にしてもしゃーないんちゃう?」

byこども


「忙しいからまた今度ね」

「ゲームなんだから、もう一回やればええんやよ」

「難しいなぁ、はは」

「あー…、神様が、もう一回挑戦する機会をくれたんだよ」


「ちがう! 時間はどこへ行ったの!?」


多分自分の中に言葉という形に出来ない解の卵みたいなものがあって、求めているのにぴったりの言葉が見付からない、与えられないのがもどかしくて。

曖昧に笑ってはぐらかされたりで、もどかしさのあまり癇癪をおこせば我が儘で仕方ないなぁという感じの愛想笑いで。

多分質問が拙かったのも理由でしょうが、ピントのずれた答えに鬱屈が溜まる日々でした。

答えなんてないのかと、いろんな人に聞いて回って、それでも得られない答えに、塾の帰りにたまたま迎えを買って出てくれた父に投げやりに質問しました。

その頃にはこども特有のなんでなんで期か、みたいな視線が気になり始めていたので、多分最後になっていただろうなという、諦めでそんな最初の執着が擦り切れて薄っぺらくなっていた質問でした。

父は勉強はできんとよく言っていたので、それを聞いていたからか、あまり期待はしていませんでした。父さんごめん!!!我ながらなんてこまっしゃくれたガキんちょでしょう!(土下座)でも、勿論そんなの関係なく尊敬してます(照

こどもって、何もみてない様に見えて、結構色々見て、こどもなりに考えていますよね(笑) これを読んでいる親御さん!卑屈発言はあまりダメですよ? こどもって、思っているより賢くて、でもこどもらしく素直に信じちゃいます(笑) ちびっこ達と遊んでいて、よく思います(笑)


げふん、話が逸れましたが、車の中、一人後部座席の窓から流れる街灯や追い越していった自転車を時間つぶしに眺めながら言ったのを覚えています。


「ぱぱー」

「んー?」

「ゲームのデータが消えちゃって、頑張ってたのがなくなっちゃって、そうしたら、自分がゲームにあげてた時間はどこに行っちゃたのかなぁ」

「んー」


質問というより、ぼやきの様な独白。対向車が時折父の顔を照らしてはすぐに通り過ぎて行ってました。



「自分の中にあると思うぞ。経験値として自分の中にあるから、何処にも行っとらんと思う。2回目とか楽やろ?」



なんてことなく返された言葉。

ぱちくりとしました。

言葉を聞いて、目から鱗でした。

無くなってない。自分の中にある。

酷いのですが期待していなかった父から出た言葉。

いないと思っていたツチノコが、茂みから出て来た気分でした。


「そっか、そおーっか、なるほど、そうなんだ」

「こんなんでええんか?」

「十分!! ありがとう!!」


こっからは蛇足ですね(笑)

見つけた宝物をみんなに自慢して回って、みんなに小首を傾げられることになりましたが、自分の中ではそれはしっくりと収まり、自分の軸になりました(笑)


ここまで読んで下さった方には、?と肩透かし気分かもしれませんね(笑)


けれど、トネリコの中で、「全部が全部経験になって、無駄になることはないんだと」そんな軸を見つけられました。

軸にして書くと、なんだそんなありきたりなことか、そんなんも分からんかったのかって思われてそう(笑)

オリンピックを目指すアスリートが、夢破れた時に言っていたのを見たことがあります。

多分、ゲームのセーブデータの喪失というのが目くらましになっていて、これがオリンピックを目指す様な運動とかそんな大事なものなどだったら、もっと早くに見つかっていたんだと思います(笑)

でも、そんな自分を懸けて競う運動系には挑んできませんでしたので、多分見つけられなかっただろうなと。

テレビを見ても自分が見つけたものではないので、素敵な言葉だなと、すごいことを言えてすごいなぁと思いこそすれ、心に軸として定着はしなかったのかなと思います(笑)

父には、感謝と一層の尊敬を抱きました。


てかもう照れるじゃないですか!(逆ギレ


はい、げふん。皆さんには、どんな言葉がありますか?

人それぞれあるのだと思います。

聞かせてくれてもいいんですよ?ちらっ(笑)

どうか、ふとそっと箱から取り出して眺めてみてくださいな。

読んでくださり、ありがとうございました。最初に書いた大げさな目標は叶っているのかな?(笑)

一人でも楽しんでくれたら幸いです。


ではでは

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