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真っ赤な





 小さな嘘をついた

 だってバレたら相手に嫌だなって思われそうだったから


 小さな嘘について質問された

 少し黙ってからそれとない言葉を塗り重ねた

 だって嘘ついてたってバレたら何でそんな嘘ついたの?って聞かれそうだったから


 小さな嘘に塗った嘘が基本になった

 だから忘れた頃に本当のことを軽く言おうとした時不思議そうに聞かれた

 だから嘘の方を本当の様に着飾った

 だってバレたら余計に嫌われそうな気がしたから


 あれ?

 ふと周りを見渡した

 あれれ?

 嘘をついた

 初めは小さな小さな嘘をついた

 つもりだった

 のに

 あれ?あれれ?

 塗って塗って塗り重なっていく

 塗り重ねていく

 塗り重なってしまう

 真っ赤な口から出るものは、真っ赤な嘘だけだったっけ?

 口紅だけではもう隠せ――

 ふと鏡と向かい合った

 あれ?あれれ?大元はどこだったっけ?

 あれ、あれれ、大元は真実だったっけ?

 周りには誰もいなくなって

 鏡に映ったのは自分だけ

 あら、あらら、ならこの正面のあなたは私だよね?

 不思議に思う

 口紅が洗面器に転がった

 塗った嘘が剥げなくて

 剥がせなくて

 剥がれなくなって

 あれ?あれれ?なんだかどうにも息がしづらいな?

 気のせいかな、気のせいだよね

 剥げそうな口紅を塗り直して

 真っ赤なネイルをして外に出る


 真っ赤な口紅だけじゃ足りないから

 ほら

 今日からは

 今日も




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