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走る

 諦めた時が止まった時 転がる時は休憩時 人の居ぬ間に短編集へと走り去ろう 疾走感あるものを書きたくて☆ イメージはさっぱりしょうゆの大根おろし

  



 叫びだしたくなるような感情を詩に込めた

 待ってと吐いた肺が軋む

 軋んだ筋肉が悲鳴をあげる

 もっとはやく走らなければ

 ねぇ待ってお願いおいてかないで

 足を動かす

 腕を振る

 届かない

 足りない

 なんで

 ねぇ

 まって



 痛い

 転んだ

 受け身も取れない無様なこけ方

 擦り剝いた手顔足

 痛い

 全身が

 体中が沸騰している

 心臓を吐き出しそう

 爆音が響く

 体中から耳元で騒いでいる

 砂利の味 土の味

 地を引っ掻く指先

 のたくる5本線

 なんでなんでなんで届かない

 息を吐く

 汗が目に染みる

 這いつくばったまま手を伸ばした

 届かない追いつかない

 遠くなる

 だんだん背が遠くなる

 なんで足りない

 まだ足りないのか

 なんで待ってくれない

 取るに足りない存在なのか

 なんで届かない

 声が距離が

 その背に

 あこがれた背中に

 滲む指先

 指先越しの背中

 くそっ、くそぅ

 噛み締めた唇は何も抑えない


 荒い呼吸静まらない鼓動

 悔しい悔しい悔しい

 後ろにはのたうちまわった足跡

 ただひたすら追いかけた足跡

 ただひたむきに走った足跡

 これは何も意味ないのか

 これは何も成さないのか

 悔しい悔しい悔しいんだ

 体中が痛い熱い

 それでも

 それでもっ

 前を向く

 地面に唾を吐く

 キスするなんて死んでも嫌だ

 負けたくない

 諦めたくない 

 裏切りたくないんだ

 過去の自分と未来の自分を


 背は振り向かない

 まだ届かない

 一切待ちなどせず置いていく

 伸ばしていた手を振り下ろす

 地面を強く握りしめる

 それがどうした

 足りない足りないまだ足りない

 それでもここまで走って来た

 無様に何度も転がりながら

 それでも今まで走って来たんだ

 諦めたくは絶対ないんだ

 背は遠い

 それでも

 それでもっ


 立ち上がる

 荒い呼吸

 軋む足

 痛む脇腹

 腕には力が入らない

 心臓が血潮を噴き出して 

 肺が熱に浮かされる

 頭でさえも朦朧として

 もはや体中に力などない

 それでも1歩踏み出した

 負けるか

 負けてたまるものか

 食いしばった歯と零す涙

 諦められないからここまで来たんだ

 諦めたくないから立ち上がったんだ

 ふらつく体で前を向く

 引き離された背は遠く彼方

 それでも瞳に力を込める

 これだけが自分の武器なのだ

 これが自分の夢なのだ

 いつかその背に

 憧れた背中に届くまで

 追いついて並んで追い越すまで

 決して決して


 一歩

 一歩

 はやく

 少しずつ早く


 一歩

 一歩

 つよく

 少しずつ強く


 一歩

 一歩 

 走り出すのを

 決して

 決して

 止めはしない






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