恋ばな 1
とある二年生の教室で、6人の女の子たちが集まっていた。
姉御肌でボーイッシュな女の子。里見 泉
家庭的で少しふっくらしてる女の子。司馬 伊万里
オタクだけど見た目だけなら大和撫子な女の子。眞田 菊菜
頭がとても良くて年齢より幼く見える女の子。水瀬 みなみ
苦労性でモデルのようにスタイルが良い女の子。守谷 葉瑠
不思議ちゃんだけど以外と常識人な癒し系の女の子。石神 優
こうして見ると、共通点の無さそうな女の子達だが皆この中学校の、吹奏楽部員の仲間達だ。
今はコンクール前の夏真っ只中だが、その六人の雰囲気は春そのものである。
『恋』をしたのだ・・・あの、優が。
相手は、合同練習で会った別の学校の男の子。
「一目、惚れなの・・・」
優がはにかみながら、言う。
確かに、最近優は雰囲気が変わり大人っぽくなった。だが、それが恋だったとは・・・。
「えっと、確かトランペットの男の子だよね?」
葉瑠が聞けば、優がこくん、と頷く。
そして、口を開き、どれだけその男の子が大好きなのか喋りだした。
「あのね、支那くんね。とても、トランペットが巧くて、凄く格好いいの。それでね。とてもお洒落で優しいんだよ」
頬が上気している優の話しを、聞いている他の5人は、優しい眼差しで聞いていた。
―――本当に、大好きなんだね
誰かが呟いた。それに優は笑顔を浮かべて
大好きだよ―――
と言った。
それを見た菊菜は、もぞもぞと「実は、私も・・・」と言った。
皆は、驚いた顔をした後、誰か聞いた。
「まだ、気になっている段階なんだけど・・・」
菊菜は、その名前を言った。