表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/71

喧嘩

 エロい下着を手に入れた俺はおとなしく週末を待った。


 今週の日曜日がデートだ。日曜日はとりあえず美術館に行く約束になっている。そのあとは未定だ。その隙を見てホテルに誘おうと思っている。



 ◇



 今日は特別ミニマムなスカートだ。ニーソも合わせて絶対領域を強調。

 白を基調とした清楚な格好の中身はどエロ紫な下着だ。ギャップ萌えにしてやる!!



 坂井に会うとまず最初に言われたのが、

「スカート短くない?」

 ちょっと照れたように言う坂井。


「そうぉ? そんなことないよ」

 と言いつつ恥ずかしい俺。

「ちょっ……みんなに見えるから……」

 と美術館へのエスカレーターでは後ろに張り付く坂井。

 そんな坂井を頼りにしたいな、と思う俺。


 俺たちはすぐに美術館の入り口についた。

 今日の美術展は、触って楽しめる展示だ。

 俺も手で触れて楽しむ。手で触れるとそこから波紋が広がっていくしかけだ。

 触れ合ったところの光の波紋が次に触れたところの波紋にぶつかって返ってくる。

 それはとても不思議な感触だった。でも、なんだか気持ちいい。その感触を何度も味わうと次の展示へ行った

 今度は自分の立った影から色々な影が出てくる展示だった。

 展示内容的に子ども向けなだけあって、子どもがたくさんいた。

 わいわいとした、いつもの展示とは違った賑わいを見せる。

 俺もその輪の中で楽しく見て回った。


 最後の展示は小さな汽車が走っていく影が色々なものを通して色々な形を描き出すものだった。

 それは見ている者を不思議な感覚に陥らせる綺麗なものだった。


 美術館を出てしばらくコーヒーショップで休憩した後、運命のときがやって来た。

「マサユキ、……しない?」

「え?」

 よく聞こえなかったようなのでもう一度言う。

「……しない?」

「え?」

 意味がわからなかったようなので、とうとう言った。

「マサユキ、エッチしない?」

 坂井は一瞬えっ……という顔をしたけれど、次の瞬間には真面目な顔になっていた。

「……しない」

 俺は

「えっ、なんで……?」

 と思わず聞き返した。

「受験終わるまでしないって言ったろ?」

「えっ、でも!」

「でも?」

「もう付き合って一年になるよ!! 何もないなんて、私が悪いの?」

「なんでユウが悪いの?」

「私が誘ってるのに、乗らないってことはそうじゃない」

「違うよ。俺は少なくとも高校の間は我慢しようって思ってたから」

「でも! どうして? 私がしたいって言ったのは無視?」

「無視なんかしてないよ、ただ、まだ早いかなって思うんだ」

「一年も経つんだよ? 早いなんてことはないよ?」

「それでも俺は早いと思うんだ。ユウのことは大事にしたい」

「大事にしたいって言うなら私のお願いを聞いてよ!!」

「それはできない……」

 俺の目からは涙がぼろぼろっと溢れた。

「私にそれだけの魅力がないってことよね」

 そう言うと涙が更に溢れ出た。

「違うよ、そういう意味じゃない」

 坂井が慌てたが、俺の耳にはもう入らなかった。

 俺はコーヒーショップを飛び出るとわぁわぁ泣きながらバスターミナルの方へと向かった。

 坂井は……追いかけて……来なかった。

 俺はもう終わったな……と思いながら鼻をかんだ。

 自宅行きのバスに乗ると、坂井の姿が見えた。バスに乗っている俺に大声でなにかを言っている。だが、無情にもバスはそのまま坂井の前を通りすぎていった。

 俺はバスを降りようかと少し迷ったが、そのまま帰ることにした。


 家につくと、勢いよく自分の部屋へ飛び込んだ。


 しばらくするとインターホンが鳴った。

 母が出たようだ。

「ユウ、坂井くん……」という母の声を無視した。

 しばらくすると、部屋をノックされた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ