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夜空の美夜  作者: j
欧州前線
6/16

帰国

――日本 横須賀 二六○海軍航空隊基地 予科練隊学校 3階 

やっぱ日本が一番だなー。

赤い夕日が見える教室の窓から見える太平洋は何度見ても飽きない。

帰国した人はクラス全員。

どうもホームシックが原因らしく、この夏の間に一般普通授業が行われる事になった。

「これが・・であるからして、こうなる」


予科練学校の先生は殆どが隊員で、優しい人も居れば怖い人も厳しい人だって居る。

正式な先生はせいぜい1割ぐらい。

この授業も隊員がやっていて黒板に無線技術の事を書いて説明をしていた。

丁度、授業終了のチャイムがなって一斉に生徒が立ち上がると俺も遅れながら立って、「有難う御座いました」と

全員で深く礼をしたら先生が、


「よーし暑い中授業やってごくろうさん!誰か、35人分のアイス勝ってこい!」

あれこの教室34人じゃなかったか?

多分先生も含んでだろう。

「はーい!先生俺行きまーす!」

教卓前に走って出てきたのは"お遣い屋"と呼ばれる手の良いクラスメイトが。

ちょっと厄介なのが"お遣い代"として小銭を取られることがあるが、せいぜい100から500円程度だから財布には

苦しい。

先生から1万円をもらい廊下へ出て行った。


「よーし座れー。今日は転校生を紹介するぞー」

お、期待!

教室内は喜びの渦になると友達の史伝(しでん)(かい)が後ろを向いて「今日は最高だなあ!アイスも食えるし転校生だ!」

中学の友で寮生活。

「お、来た」

その時クラスは一瞬にして静まると、教卓前に海軍の水兵姿をした"美夜さん"が居た。

水兵は一応普段着で制服は滅多に使わないから捨てるものは多い。

とは言え予科練隊に女子は・・。


「うおおおおおおおお!」


大歓声は教室内を包むとすかさず耳を指で抑えた。

「先生!お腹痛いから早退します!」

「んー?気をつけて帰れよ」


バッグを手にしてその歓声湧き上がる教室を後にして廊下を猛ダッシュで走ったら「廊下は歩け!」と他の先生に

怒られたのは言うまでも無い。


<>

――赤城家 リビング

「親父・・ただいま」

相変わらず整備士の親父は仕事がないから部屋でゴロゴロ。

変わりに内職をしているらしい。地味に石鹸入れ。

収入は大体、飯が食える程度だからそれほど困らないらしい。

「あれハワイに行ってたんじゃないのかい?」

「ちょっと美夜って人が異常すぎて・・帰国した」

「あの人は母親の遺伝を受け継いでいるんだ。疲れると性欲が増して男を誘ってそれで解消する。何かされなかったかい?」


何で知ってるんだ・・。

「一応やられた。せいぜいボディタッチぐらい」

「僕の場合は美都さんに胸を押し付けられた事かな。さすがに引いたけど」

マジかよ。

階段に上がって、2階の自室のベッドにカバンを放り投げて水兵服を脱いでTシャツ姿のままもう1度、1階に降りて台所に向かう。

「翔ちゃん、二六○航空隊の人から電話あったからすぐ行けだって。服は何でもいいらしいよ」

「えー・・」


<>

――二六○航空隊 航空滑走路

滑走路の隣にその予科練隊の校舎がある。

そんな事どうでも良いか・・。


滑走路真ん中に教官とその集められた数人の中に混じると、

「来たか。早速だが説明をする」

「突然だが、諸君は予科練隊を卒業し海軍航空隊に編入する。成績の優秀さと訓練に励み、一人前になった事だ」

「予科練隊2年生の赤城!お前が初めての2年代表だ」

「そしてこちらに一時入隊する事になった美夜空軍少尉!貴様は赤城を指導してくれ」

「残りの3年生6人は他の教官に従え」

「では解散!」


この話のために態々呼び出すとかお前の頭は一体なん何だ。

蜘蛛の子を散らす様に俺と美夜さん以外は宿舎や自宅へ帰宅するものも居た。


「あ、赤城君!」

闇の滑走路から走ってきたのは、クラスの中に居た女子がこっちに向かってくると寒気ある殺気をどっからか感じた。

名前は確か大淀(おおよど)ユミ。

二六○航空隊司令官の娘さんで少し怒っただけで泣いてしまう、気が弱い子。


クラスの中では大変人気で影は薄いが頼りある存在だとか。

俺もこの人忘れることがしばしば。男ばっかだからかもしれないが。


大和撫子っぽくて黒く長い髪が腰まであるのが特徴で、なによりツヤがある。

優しく文武両道と言う所が人気の秘訣じゃないかと。

女子は水兵のセーラー服とミニスカートと言うそこら辺の女子高生っぽい感じ。

「頑張ってね!はいこれ!」

手のひらに御守が。

手で受け取り尻のポケットに入れると、ユミはそのまま背中を向けて宿舎のほうへと向かって行ってしまう。


「あら彼女?こいつめ!」

頭を叩かれ甲高く笑う美夜さん。

「そろそろ戻らないと行けないので・・また」


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