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秋定与太話

神は死んだ~「秋定与太話」第二弾

作者: 秋定弦司

 どうも、秋定弦司です。

 前回ではかなり重たい話をした(いずれあの話はするつもりだった)ので、今回は二度目の飲料品ネタにしました。(これでネタバレはしていないはず。偉いぞ俺)

 別に飲料品にこだわりがある訳ではないんですが、身近な話となるとどうしてもそうなっちゃうんです。お許しください!(やっぱり自己保身)

 それでは、「秋定与太話第二弾」とくとご覧あれ!

「神は死んだ」とは、かつてのフリードリヒ・ニーチェの言葉である。

 そして、「明石のバーサーカー」大沢勝男にとっての「神」とは、関西民なら一度は飲んだことがあるであろう「ミックスジュース」である。

 大沢は出勤前、「自動販売機」という名の「教会」の前におもむろにひざまずき、100円硬貨を寄付し、その賜りものである「ミックスジュース」をいただき、教会に一礼してから一歩下がり、その神からの賜りものを口にするのだった。

 その敬虔ともいえる一連の動作は、まさに「儀式」と呼ばずして何と呼ぶのだろうか。

 しかし、その信仰告白としか言えない彼の姿を見慣れた近隣住民は「あ~またやってる」と、冷ややかな、時には名物扱いとして見ていたが、初めて見た者にとっては異常でしかない。何度警察が来たことか。そりゃそうでしょ。

 しかし、ある朝教会ごと神の姿は消えていた。

 そう、「神は死んだ」のだ。

 思わず彼は膝から崩れ落ちた。

 そして、「あの手段」で情報収集に当たったのだった。(毎度言うが「尋問や拷問」を情報収集というかはこの際考えない方がいい)

 結果、神からの賜りものを「作っていた」創造主が滅んでいた事を知った。

 世間でいうところの「倒産」である。

 その「朝の儀式」が無くなった後の大沢の姿は、崇拝する神を失った聖人のように、精彩を欠いていた。

 しかしその後、彼は自宅の傍の教会に「神の御姿ともいえる者」を再び見た。

 献上金は150円と彼の使徒たる他の飲料水と比べて少し割高なことから「神を僭称する者」であることも彼の頭の中をよぎったが、かつて崇めていた神が180㎖だったことを考えると、目の前の「神と思しきもの」は500㎖なのであえて150円を献上し、それを受け取った。

 そして、恐る恐るその飲み物を一口含んだ。

 あのドロッとした飲みごたえ。さらにかつての神では味わうことのなかった、ほのかなメロンの風味。

 まさに「神を超える神」であり、大沢は心の中で叫んだ。

 「神は生きていた!」

と。

 さて、やはりここで「この味を『布教』しなければ」と変な信仰心が目覚めるが、「不敬極まりない行為」として、布教をやめた。


 うん。その方がいいと思う。

 さて、今回も「与太話」にお付き合いいただきありがとうございました。

 「飲料水ネタ」といえば、かつて国鉄がJRに移行した直後、自販機で販売されていた「二十世紀梨ジュース」が今もあればネタにしていたかもしれません。

 日本語としておかしいことは十分承知しておりますが、あれは「病みつきになる不味さ」で、「復刻してほしい」と思っているのはたぶん私だけでしょう。(自信満々)

 さて、2作書いたので「三部作までやれ!」やら「シリーズ化しろ!」などという声が聞こえてくるかもしれませんが、声を大にしてお答えいたします。


 無理じゃそんなモノ! 無茶にも程があるわ!


と叫ばせていただきました。


 それでは、また何かご縁がありましたらその時はよろしくお願いいたします。


秋定 弦司

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