3話 優雅な一日
「なるほど、種族はホムンクルス、職業は錬金術師ですね、なるほどなるほど…イメージカラーはどうします?やっぱり緑色にしますか?」
な、なんか圧を感じる。
目が迸っているような…
一昔前の自分が研究で興奮した時に発動する焦燥感に似たものを感じる。
いや、きっと気のせいのはずだ。
「創作意欲が湧きますね…!では、私たちの立ち位置はどのような設定がありますか?」
「そうだな、やはり人造人間ということだからあなたがた創造主ということで呼び名はお母様でとうだろうか、」
「お、お母様…」
な何か不味かっただろうか、
カシワモチ先生が悶えている。発作か?(←失礼)
「こほん、すみません、あまりにも可愛すぎて…」
「あ…はい、」
閑古鳥の喫茶店に静寂が訪れる。
「それでは、V完成は四日後になります。まああの人作業だけは速いので。」
「あの人とは誰のことだ?」
「ロアさんのパパになるLive2Dを担当する人のことです。私が描いたイラストを彼が動かすって形ですね。賀蘭ゆきや、Live2Dの技術を確立した第一人者です。」
まだ全容を掴むことはできないが、ある程度すごい人とあうことは分かった。
「ここだけの話、とっても無口なので何考えてるかは分からないですが、まあいい人ですよ!」
「会ったことがあるということか?」
「はいです。最初会った時は目つき悪い人だなって印象でした。あ、これ内緒ですよ?」
そうして二人は話終わり、カシワモチさんが帰っていく。
なんていうか、変な人だった。
「ロアちゃん打ち合わせ終わったのー?」
「ああ、終わったが…ん、コーヒー?」
テーブルにコーヒーが置かれる。
「私の奢りだよ。それとこれ角砂糖。」
「ありがたい。」
熱いコーヒーを啜る。
ほろ苦く、口触りがまろやかだ。
「コーヒー豆はグァテマラのやつを使ったんだあ。私のいちばんのお気に入り。」
「しっかし立花は本当にコーヒー淹れるの上手いな。確か立花のお祖父様はバリスタだったか?」
「うんそうだよ!」
当たり障りのない時間が過ぎていく。
こういう日も悪くない。
昔は生き急いでいて、、余裕のある時間なんて送ってこなかった。
「こういう日も悪くない。みたいな顔してるよ?」
立花はクスクスと笑う。
本当に、悪くない日だ。