○○○○屋敷
フェニックスの力の速さで俺はラーメルとシグヴァよりも先に屋敷に着いていた。
「ライルよ。フェニックスとかドラゴンだけ
じゃのーてライトニングドラゴンの力も
使ってみーよ。」
「分かってるよ使いてぇーんだよ俺だって。
だからもう少し待て。なっ頼む。」
「んんんん・・・・・・じゃあ仕方ない!!」
「思ったより簡単に引き下がるんだな。」
「このワシが意味 無ーて引き下がったと
思っとるのか?」
「え?」
「そういう事だ。」
フェニゴンと意味深な会話をしていると林から
ラーメルとシグヴァが出てきた。
「はぁはぁ・・・・・・。やりますねシグヴァさん。」
「まだまだ、はぁはぁ・・・・・・若い子には負けんよ。」
息をあがっている様子を見るに2人は意外に
接戦だったのかもしれない。
「なぁ、ライルお前いきなり燃えるように熱く
速く飛んで行ったが何があった?」
当然の質問だ。
まだシグヴァにはフェニゴンを紹介していない。
ラーメルに紹介した様にフェニゴンを腕に写した。
「これがさっきの俺の力の正体だよ。」
「おおーー!!これはド、ドラゴン!?
しかもただのドラゴンじゃない!?
ライトニングドラゴンだよ!!!!
わぁー初めて見た。」
フェニゴンを猫か犬を可愛がる感覚でシグヴァは
可愛がっていた。
流石は俺の師匠というだけの事はある。
「ワシはライトニングドラゴンとフェニックスの
息子『フェニゴン』だ!!よろしく。」
「よろしく。
フェニックスでもあるの?
だからあんたそんなに速かったんだね。」
「走る速さで俺に負けたのが悔しかった」
と言っているように俺は聞こえた。
確かに実際、速さなら素の俺よりは速い。
褒められたが素直に喜んでいいのかと
俺は苦笑いをした。
「ああ、そうそう言い忘れていたが
ここから林の所までお前の土地だぞ。」
「え?マジで?」
「もうここはお前の土地だぞ。」
「では早速屋敷の中に入ってみましょう。」
「そうだな。」
「じゃあ私はここで・・・・・・。」
シグヴァは速足で今まで走ってきた
道を戻って行った。
「じゃあ入るぞ。」
「はいっ。」
ガチャッ!!
「おおおおーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「きれーーーーい!!!!!!!!!!」
屋敷に入るとまず最初に天井に引っかかっている
大きなシャンデリアが目に入った。
「これをただでくれるなんて何があるんだ
ここには?」
「そうですね。」
一旦落ち着き階段に腰を下ろした。
「少し部屋でも廻ってみるか。」
「はい。」
ひろーい屋敷の中にある無数の部屋を
ラーメルと一緒に見て廻った。
「最後にこの部屋だ。」
「開けますよ。」
「ちょっと待ちなラーメルよ。」
「「フェニゴン!?」」
あまりにも突然喋ったフェニゴンについ俺らは
びっくりした。
「何だ?フェニゴン。
何かこの部屋に隠されているのか?」
「まぁそんなもんでぃ。
だからこの部屋はお前・・・・・・ライルが開けよ。」
「分かった。」
フェニゴンの言う通りに俺が最後の部屋の扉を
恐る恐る開けた。
「・・・・・・何もねぇじゃねぇーか。」
「嫌っ来る!!」
「見えなっ・・・・・・。」
「はっ!?ライルさん!!!!
あっあわわわわわわ・・・・・・。」
俺の首を見えない太刀筋で何者かが斬ってきた。
それを見たラーメルは顔を青ざめている。
「安心しろ。俺は死んじゃいない。」
「え?」
チャキンッッ!!!!!!
刀を鞘にしまう金属の音が聞こえた。
「そうだ!!ワシはフェニックスであり
ライトニングドラゴンであるぞ。
再生能力には右に出るものなしだ。」
首が燃え上がって再生した。
青ざめていたラーメルは治った。
「何っフェニックスだと!?」
着物姿で女の子にしては身長が高い子が
俺の後ろで驚いていた。
「誰?ですか。」
「誰?ってこっちのセリフじゃぁぁ。」
「何でここに人が?」
「何で?ってここは私のゴーレム屋敷だから
じゃぁぁ。」
「ゴーレム屋敷・・・・・・マジかよハハッ
そんな昔の伝説古代兵器
これがそれなんてありえない。」
「もし本当だとしてもゴーレム屋敷って物凄い古い物だから
動かないのでは?」
このゴーレム屋敷だと思われるものを
つべこべ俺らが言うとその女の子が出てきた部屋の中女の子は
戻って行った。
「あたいの科学力をなめるな。」
ポチッ!!
女の子が真っ赤なスイッチを押すと屋敷がゴロゴロと音を
立てながら動いた。
「ま、マジかよ!?」
「う、動いた!?」
俺の顔からは笑いが消えて少しマジな顔になった。
そして俺が最後に開けた部屋はこの動いている何かの
操縦室になっているようだ。
「本当に『ゴーレムマオナー(通称:ゴーレム屋敷)』なのか?」
「そんなもんじゃぁぁない。そのまた上を行くものだ。」
「なんだって!?」
普通のゴーレムマオナーでも国の一つや二つ。
そして初代、2代目魔王を倒す程の伝説古代兵器だ。
だがこの女の子が作った思われるゴーレムマオナーは
更にその上を行くというのだ。
「俺の名前はライルよろしく頼む。」
「私はラーメルと申します。よろしくお願いします。」
「よろしい。あたいの名は『ガーメイル』じゃぁぁ。
よろしくな。」
ガーメイルはゴーレムマオナーの操縦室の椅子に座りながら
親指グーをしてきた。
「なぁーガーメイル。お前着物姿で操縦しずらくないのか?」
「これがね意外に操縦しやすいんじゃぁぁ。」
「そう・・・・・・なんですか?」
「あとさ、お前の神速斬は凄かったな。
見えなかった。そして力強かった。
フェニックスの力が無きゃ死んでいたとこだったよ。」
「あたいもフェニックスの力を持った人なんて初めて見た。」
互いに賞賛しあって俺とガーメイルの仲は自然と深まった。
だがラーメルはガーメイルと話す様子はなかった。
「ほらっラーメルも話してみな。意外と良い奴だぞ。」
「意外とってなんじゃぁぁ意外とって
・・・・・・まぁあたいもラーメルと話したい。」
「わ、私もガーメイルさんとお話したいです。」
初めて話す人とは緊張する様で俺と初めて話した時のようにラーメルは
緊張していた。
「私たちのパーティーに入りませんか?」
「!?」
「パ、パーティー?」
俺は女の子同士のふわふわとした会話を求めていたのだが
最初の話題が驚きすぎてついビクッと反応してしまった。
そしていきなりの質問でシグヴァは頭にハテナを浮かべていた。
「出来れば俺からも頼む・・・・・・。」
「入ってやってもいいんじゃぁぁ・・・・・・が少し待っていてくれ
母さんに会ってお前達を紹介したい。」
ゴーレムマオナーの操縦席から立ち上がり部屋から出てひろーい屋敷の
どこかへ行ってしまった。
「どこへ行ってしまったのでしょうか?」
「大丈夫。また会えるよ。」
そうだ。会えるさまた。だって屋敷の中にいるんだから。
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