62〜宿の食堂〜
お久しぶりです。
本当に遅くなってすいません、
「あさっごはん〜あさっごはん〜」
と楽しそうにオリジナルソングをくちずさむコロイの声が食堂に向かう通路に響く、クリムもワクワクしているのか無言だが期待していることが一目で分かりほど眩しい笑顔を輝かしている。
そんな2人に挟まれながら歩いく。
2人とは手を繋がれているため俺は保護者的な感覚だが、よく考えたら中心の俺が1番体格が小さく身長も低いため完全にお姉ちゃん達に手を繋がれる妹になっている気がする....それも悪くないか....
そこまでで考えることはやめた。
前を歩いていた宿屋のお兄さんが突然立ち止まりぶつかりそうになる自分の体を止める。
そこはギルドの酒場には勝てないが、中々の広さがある空間が広がり、
「ここが宿屋自慢の食堂です!」
「すごくいい匂いがする!」
お兄さんの自慢げな言葉にかぶせ気味にコロイが声を上げる、
隣のクリムも鼻をスンスンさせる仕草を見せると顔を輝かせていた。
俺もつられて匂いを嗅ぐと焼きたてのパンの香りと野菜スープのような優しい匂いがして、
俺の腹は「キュルルル」と可愛らしい音を食堂に響かせ同時の俺の顔は真っ赤に染まる。
コロイは心配そうにこちらを覗き込み、
「お腹痛いの?」
クリムは対照的に意地悪な顔をして、
「お腹減ったの?」
と聞いてくる。
俺はコロイに大丈夫と言うジェスチャーを未だに真っ赤な顔を隠しながらすると、安心したような笑顔を見せた。
反対のクリムには渾身のデコピンをお見舞しておいた。「いったぁぁぁぁぁ!!」
と叫んでいたがもちろんスルーした。
俺達は宿屋のお兄さんに案内された丸いテーブル席に座る。
クリムはおでこが痛いのか赤くなったおでこを優しく撫でていた。
同じくスルースキルが高いお兄さんは痛がっているクリムを横目にメニューの書かれた羊皮紙を渡してくる。
「朝のおすすめは白パンと野菜スープがおすすめです。」
丁寧におすすめの料理を教えてくれる。
俺はおすすめの白パンと野菜スープを頼み2人にメニューを渡すと2人は目の色を変える。
「「白パンと野菜スープとステーキで」」「お願いします!」「お願い!」
と同時に立ち上がる勢いで言う。
宿屋のお兄さんは驚いたからだんだん困ったような表情に変わる。
「申し訳ありません....ステーキは最近就任された領主様によって厳しく肉は入手困難でして、朝のメニューでステーキを頼まれる方が少ないためまだ訂正はしていなんですよ....」
宿屋のお兄さんは悔しそうに言う
それを聞いた食いしん坊2人組は勢いよく立ち上がり、「今からとって来ます!」「そうする!」
と今までにないほどの勢いに宿屋のお兄さんは気圧される。
「な、ならギルドから正式に肉の仕入れを依頼します。ギルドへの依頼なら領主様に文句は言われないでしょうけど....」
宿屋のお兄さんは口篭る。
「大丈夫だよ!コロイたち強いから!」
「ああ、美味しい肉食べれるなら早く狩りに行こう。」
「え?うわぁぁぁぁぁぁ!」
何か言いたそうな宿屋のお兄さんの手を引っ張り2人が走り出す。宿屋のお兄さんの悲鳴だけが残った宿から、やれやれと思いながら俺も後から追っていく。
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