独りよがりの恋愛録
「好きです!付き合ってください!」
俺はそういって思いを伝えた。そう、あのとき俺はついにこの思いを伝えてしまったのだ。
そして、彼女はこう答えた。
「いいよ。よろしくね」
なんと、意外にも答えはOKだったのだ。もちろん全く勝算がないと思っていたわけではない。けれども、了承をもらえるということは存外嬉しいことだった。
「つきあうって事だし何をする?」
彼女がきいた。このとき俺は
「やっぱりデートしたりしてみようよ」
と、答えた。しかし、彼女のこの問いが今も俺の中で繰り返されて悩みの種となっているのだ。その日はそのまま二人して食事していた店を出て帰路についた。俺は彼女に受け入れてもらえた喜びでいっぱいだった。体も心も軽く感じた。だけどそんな状態は長く続かなかった。数日後からも彼女から特に連絡はこない。自分から連絡してみようにも話題の振り方が良くわからない。
つまり、告白して付き合ってるのに付き合う前と状況は変わっていないのだ。そう、付き合って何をしたいかというところが俺には欠けていたのではないだろうか。高嶺の花の彼女と付き合うということだけがゴールになってしまってその先を見ていなかった。なぜ、彼女は俺の告白を了承したのだろう。