ノーセックス・ノーライフ
つまり、小学生だったのだ。俺と彼女は。誰もがそうであるように、十一歳の間を小学六年生として過ごし、かつては同じように拙い幼稚園児だった体は、六年間の保温期間によって、成長のばらつきを極端なものにしていた。教室はさなぎの群れのようだ。礼儀正しく、行儀よく、椅子に座って黒板を向く三十数体のさなぎの群れだ。彼女の傷も、包帯も、すべて俺のせいには違いなかった。その責任と嘘が、十年経っても俺の中に、曲がった鉄くぎみたいに居座り続けている。
※セックスとか出てきますが、単語だけです。
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