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短編・魔王さまはお留守です、、他。

魔王さまはお留守です。

 オレは勇者なんだそうだ。

召喚されて特訓もされて同じ様に召喚された仲間と共に

魔王城に魔法陣で送り出された。

いくらなんでもせっかちすぎるだろう! 

たったアレだけの特訓なんかで・・・


首輪は標準装備だそうだ。

うっとおしいが言葉が分からなくなると言われたらなぁ。


そうしてやってきた魔王城。

でも、誰も居ない・・。静かすぎる・・・。


やっと見つけた玉座にはなんだか偉そうなじぃさんがいた。

なので聞いてみた。

あのぉ、オレ達勇者のパーティなんですが魔王さまですかぁ? 


「おや! これはご丁寧に。いらっしゃいませ。

私は魔王さまではありません。

この城の執事のセーバスと申します。」


でも玉座に座ってますよね。

ホントに魔王さまじゃあないんですか? 。


「コレも業務の一環ですよ。

最近、椅子がヘタって来たようだと魔王さまが言われたので

調べてたんです。

確かにヘタって来てますね。

お出かけの間に修理と言うことにしましょう。」


お出かけってことはお留守ですか・・

いったいどちらに?


「姉君のお城です。

嫁ぎ先から帰省されたので会いに行かれました。

皆これ幸いと休暇を取りまくったので残ってるのは私だけです。

さすがに無人という訳にも行きませんのでね。


困りましたねぇ。

せっかくいらしたのにお相手をする者がおりません。

こんなジジイのお相手ではご満足頂けないでしょうし

ジジイに勝ったところで自慢にもならないでしょうし・・。」


えーと、なんとかそちらに行く方法を教えてもらえませんか?


「おや! 行かれるんですか? 。

う~ん・・実は姉君は先代の魔王さまなんです。

実力は当代の魔王さまより上ですし城もココより大きいです。

それでも行きたいですか? 」


そう言われるとなんだか引き下がれない気がした。


「分かりました。アチラにも連絡しておきましょう。

私の送還陣でお送りします。

では! いってらっしゃいませ~~。」


あっという間に転移させられていた。

そうして目の前に超絶美少女なメイドさんが待っていた。


「魔王さまのところにご案内いたします。付いて来て下さい。」


返事も聞かずに歩き出した彼女に付いて行くしかなかった。

でもこの城もシーンとしていた。静かすぎる。


どうしてこんなに静かなんですかぁ? 


「家族水入らずで過ごされるのに人払いをしております。

来客も断っていたのです。

セーバスはあとで叱られるかもしれませんね。」


魔王さまに叱らないように言ってもらえませんか?


「そういうことはご自分でどうぞ。着きましたよ。」


そこは中庭に面したテラスだった。

大きな敷物の上に大きな卓袱台のようなテーブルがある。

魔王とまだ足元がおぼつかない感じの子供と高校生くらいの

人族(?)な男性がいた。


なんだか見覚えがある感じが・・・

えええええ・・お前・・同じクラスの〔S〕じゃあないか! 


「あー・・うん・・君ってたしかに同じクラスだよね。名前忘れたけど。」


ど、ど、ど、どうしてお前がこんなところに!? 


「妻の里帰りに付いて来たんだよ。

ちなみにコレなんだ。手を出すなよ。殺すゾ。」(笑。)


16で結婚できるわけないだろ! 


「ココだと16で結婚できるんだよ。異世界だからね。

オレ達の世界でもそういうところはあるんだよ。

婚姻届けは出せないけど結婚式をしちゃあダメってことは無いんだ。

オレ達の国でもね。」


コレと言ったのは超絶美少女なメイドさんだった。

ま、ま、ま、まさかこの人って・・・


「あー、先代魔王だよ。ちなみにメイド服はオレの趣味だ。

ちょっとしたゲームに勝ったんでね。罰ゲーム中なんだ。


ところで勇者のパーティなんだって? 

魔王さまはあのとうりだからオレがお相手させてもらうよ。」


見れば魔王さまの膝でさっきの子供が居眠りしていた。

なんだか子猫が寝てるみたいだった。


結局〔S〕のヤツにメタボロにされた。

首輪を外されたけど言葉は通じた。


「隷属の首輪なんかはめられたんだね。

まあ、外しちゃったし帰還はココの神さまにお願いして帰らせてあげるから

心配しなくていいよ。」


あの召喚主の王さまめ! 。

翻訳の首輪だって言ったくせに! 


召喚主の王さま達は魔王の城に無理矢理招待されて暫く

帰してもらえなかったらしい。ざまあ!!! 


〔S〕の言葉どうり元の世界に帰してもらえた。

セーバスはどうやら叱られたらしいが城に一人しか残って居なかったせい

ということで大した罰でもなかったようだ。

玉座の修理はできたんだろうか? 。


〔S〕は普段と変わらず学校に来ている。

時々休むみたいで何かしているらしいんだがなぜか目立っていない。


超絶美少女な奥さんをある日街で見かけた。

あの子供を抱いていた。


・・まさか・・あの子って・・・

魔王さまの子供じゃあなかったのか? ・・


 

そんなある日、オレはまた召喚されてしまった。

また魔王討伐なんだとさ。

首輪をはめられてたら逆らえるわけもない。


魔王城に送還されたが・・・なんだか静かだな・・・

まさかとは思うけど・・ココの魔王さまも・・・


「申し訳ございません。魔王さまはお留守です。

人の国の王さまをイジ・・・もとい遊び相手を務められに行かれました。」


宰相だという金縁眼鏡のイケメンは面倒くさそうにクイッと眼鏡を上げた。


ココに来た勇者はどうやらオレ達だけじゃあないらしい。


うん・・・メンドクサイよね。

もうイイや。帰る方法を知りませんかね?宰相さん。

帰れれば首輪くらい〔S〕のヤツが外してくれるだろうしね。

 まあ、宰相さんが知らなくても前回は神さまにお願いして

戻ったんですからソレを思い出せばなんとかなるでしょう。


二度目の世界の魔王さまはなんだかいじめっ子みたいです。

ほっといていいのかい? 勇者くん。

君が帰ったらいじめられっ子の王さまはまた召喚をやっちゃう

と思うんだけどねぇ。

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