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おはよう シンシア

「おはよう、シンシア」

コールドスリープから起こされる度にかけられる

この声は、何回目のものだろうか?

最初に再生装置から目覚めた時は私はまだ少女で、

当時では治療不可能な病からの逃避行だった。

今となっては、人生が上手くいかなくなった時に

逃げ込む防空壕のようなものと私は覚えてしまった。

だが、今回の目覚めは何かが違った。

処置室には、私を迎えてくれる人は誰もいない。

それどころか、この星にはもう私しか居ないと分かるまで、

さしたる時間は掛からなかった!


獅子内圭一郎の不可逆タイムスリップ小説、ここに!


/////////


獅子内 圭一郎


さいたま市在住

デビュー作『ゆび を かえせ』で

火蜥蜴賞サスペンス部門を受賞した

短編の名手。


 




・キャベツ文庫/獅子内 圭一郎の作品・


 ゆび を かえせ

 おはよう シンシア

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