神の遺した世界で

人間と魔族が争いを続ける世界。
剣と魔法が支配するこの地に、“勇者”として生を受けた少年レオは、
かつてない運命に巻き込まれていく。

不思議な魔獣“ガルド”との出会い。
言葉少なな剣士“セリア”との邂逅。
そして、各地に点在する不可解な“遺物”や“神殿”。

違和感は、日常の隙間に確かに存在していた。

なぜ魔族も人間も同じ言葉を話すのか。
なぜ魔法は“理”のように安定して発動するのか。
なぜ勇者に選ばれたのか――。

旅の果てでレオが見るものは、
この世界の“真の成り立ち”と、自分自身の意味だった。

壮大な嘘の中で、たった一つの「本物」を探す旅が始まる。
剣と魔法のベールを纏った、新たなる幻想譚。