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おは競走馬 ~走れ俺、いやマジガチで死ぬ気で走れ大事なものを守るため!~  作者: noy


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第70話 俺、挟まれる


 見事有馬記念を優勝という形で終えた俺はその日から色んな人に褒められ撫でられオヤツを与えられたっぷりと甘やかされた。

 放牧のために帰された牧場でも精神的にぬくぬくと、何の障害もなく、自由に、好き勝手暮らす日々。

 

 オッチャンからの差し入れが途絶えることはなかったし、おいしいご飯をもりもり食べた、もちろん制限された量の中での話だ。

 姉ちゃん?姉ちゃんは俺が幼いころからずっと変わらず素直でとてもいい姉ちゃんであることをここに書き残して置く、ミカンおいしい。


 相変わらずマルはマイペース野郎だったし、モモは夢見がちガールで、あとからやって来たアホ殿はアホだった。

 というかなんだこの問題児だらけの一角、絶対ジイサンの差し金だろう俺にはわかる。


 あ、アホ殿は無事初勝利をあげたらしい、俺の全姉弟であれだけ鍛えてやったんだ心配なんて全くしていなかったけどな!

 むしろ勝って当然、勝てなかったら競走馬の才能なしのハンコを押す……は、さすがに厳しいかもしれないがそれだけのポテンシャルはあるとあの期間で思ったし厩舎や騎手と致命的に合わないだとか実は本番に激よわとかいうことがない限り大丈夫だと思っていた。


 それにしても実家のような安心感、というかまあ今の俺にとってはこの牧場が実家だもんな、年の終わりに振り回されがちだった俺は慣れ親しんだ環境と友人たちに癒されこれぞ正しくリフレッシュ。

 今年も雪を楽しみ、そんな中でもはしゃぎ、先にトレセンへと旅立つモモやアホ殿を見送り残ったマルと駆けまわりのほほんと次のレースはどこだろうかなんて考えていたんだ。


 そんな風に極々平凡で、ありふれた幸福な毎日を過ごしていたからだろうか。


 オッチャン、俺、なにかしたのかな……。


 『いやーやっぱ君って美人だよねぇ、あ!違うから!俺ちゃんこう見えて浮気とかしねぇタチだし!?カワイ子ちゃんに一目会った時からもう……』


 『聞いてる?なんでワタシと勝負しないのって聞いてるんですけどぉ』


 『ヒュー!全然気にしてないどころか俺ちゃんの話聞いてないクールビューティーさも魅力的!』


 『毎回居るかと思ったら居ないしぃ』


 『なぁなぁ美人サン俺とカワイ子ちゃんとの馴れ初め聞いてくれる?』


 『今回は一緒でしょ?』


 『俺ちゃんとカワイ子ちゃんが出会ったのは美人サンとも走ったレースでさぁ』


 『ちょっとうるさいんですけどぉ、ワタシとハナの邪魔しないでくれませーん?』


 『俺ちゃんに話しかけてくれた!イエーイ!こんなカワイ子ちゃんと美人サンと一緒にいられるし今日は最高にハッピーな日だぜー!』


 『お前ら元気な……?』


 俺は今なんだか懐かしい気がするメスガキ……もうメスガキって年じゃないか、俺とロッカは5歳馬になったしな、つまりたんなるメス……は響きが悪いからロッカでよし。

 ロッカとそれからマイルチャンピオンシップで出会ったいくらスルーしてもめげない口から生まれた疑惑のあるナンパ馬と一緒にいる。


 初めての環境にさすがの俺も途惑いながらご飯をもしゃもしゃしてるというのにこいつ等はずっとこの調子だ。


 え?普通ならまず食欲が落ちるだろうって?……それは、そう。


 いやでも俺にとってこれはとても大切なことで折角兄ちゃんが俺のためを思って盛り盛りにしてくれた以上食べぬというのは不作法というもの的な感じもあって、つまりご飯おいしい。


 あ、初めての環境が気になるよなロッカやナンパ馬と一緒にいるならマイルのレースじゃないのかって、ただ俺がご飯を食べていることからわかるようにそれは違う。

 それならロッカやナンパ馬と同じ厩舎になったのかっていうとそれも違う、俺は何事もなければひょろさんの厩舎で生涯現役するからな!いい体はいい食事から!!!!!ひょろさんのところのご飯が一番。


 じゃあどこかって言ったら空の上で一緒にいる。


 いや本当に、物理的に空なんだって!空輸だよ空輸!馬生初の空の旅。


 そう、つまり、アレだ。


 俺、海外挑戦するってよ!!!!


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― 新着の感想 ―
年が明けてから海外。ドバイか!? 距離的にはターフかな?
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