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おは競走馬 ~走れ俺、いやマジガチで死ぬ気で走れ大事なものを守るため!~  作者: noy


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第69話 俺、2度目の光景


 はーあ、早く終わらねぇかなー、俺が主役じゃないし、周りはなんだか微笑ましそうに見て来るし?

 俺からしたら全然微笑ましさなんざないんですけど!?


 俺が一緒に行動してからは無駄にキリッとした顔をしているティトゥス、写真写りもいい?どうだろうな、ほら白は膨張色って言うじゃん?言わない?正直よくわからないけどデブって……見えねえムキムキボディだったわ、俺ほどじゃないけど。

 別に?俺は?いいけど?俺と並んで写ったりしたらティトゥスの馬体のが見劣りしたり?……そもそも得意距離が異なるって比較としてわかりやすいレベルの違いあるけど。


 兄ちゃんに唇もにもにしてもらう事でなんとか無駄に嘶いたり、ちょっと二本足披露したりするのを我慢する。

 しかし信じられるか?このアホここに至るまで一切俺と喋ってない、自分で望んだ癖に何事?放置?放置プレイか?それなら帰ってよくね?


 そう思ってもきっと実際帰ろうとしたらティトゥスは再び暴れ出す、なんとなくそれはわかる。

 ティトゥスに比べたらマルはわかりやすいよな……いや付き合いの長さの問題か?アイツはアイツで意味わからないこともあるし、まあ結局ティトゥスとマルのように過ごすことはないわけだから何考えてんだコイツがなくなることはない。


 いったんお披露目的なのが終わり主役はティトゥスの関係者たちへと移った。

 マイク越しの声が聞こえる中俺とティトゥスは再びの出番、俺はなぜあるのか不思議な再びの出番まで控える。


 「いい夢を見させて貰いました……、そして新しい夢を」


 この声はティトゥスの馬主であるグレーのジイサンのようだな、内容もそれっぽいそりゃ三冠馬なら夢見るか凱旋門賞はダメだったらしいけど、あの日は厩舎から馬を出しているわけでもないのになんとなくふわふわしていたし結果が出た後はどことなく落ち、翌日兄ちゃんは惜しかったんだよと話していた。


 「血を繋ぐことそれがティトゥスの新しい成すべきこととなります、私はその仔にもまた夢を見たい」


 ティトゥスの子が走るのはまだまだ先だ、直ぐに成功と言えるレベルの馬が産まれるかも未知数、それでも見届ける気満々の声はいいぞ!年寄は長くしぶとく元気に生きろ!

 きっとティトゥスには選りすぐりの繫殖牝馬が待ち受けているのだろう、もしかしたら母ちゃんと、ということもあるのか?それはあまり想像したくないな……。


 「そしてこれは私事(わたくしごと)ですがティトゥスの初恋はぜひ実らせてやりたいと思っています」


 んんんん!?グレーのジイサン今なんつった!?

 鈍感系主人公するつもりはないとかいう問題ではなく嫁だなんだ言われてるからわかってるけどもしかして初恋って俺か!?俺だよな!?オッチャンと話してた時に変な話してねぇだろうな!?


 俺は生涯現役です!!!!!!!!!!!!!!!!


 笑いと拍手に包まれる場内、ただ1頭全然そんなハッピーな感じではない俺。


 兄ちゃんの手をはむはむすることで心を落ち着ける。


 ハムハムハムハムハム


 「ティトゥスは本当によく走ってくれました」


 はむって無になっていたが気付いたら聞き覚えのある声のスピーチへと変わっていた、これはティトゥスの鞍上だな、竹川だったか?

 新馬戦の時から確か一緒だし他の騎手が壇上にいないことから見ても乗り替わりせずずっと乗って来たんだろうな、ロメロと違って!ロメロと違って!!!!!!!表面上は許したが俺の心には確かにあの日の裏切りの傷が残っている。


 「最初から、そして最後まで手が届くようで届かない勝利の女神を追ってしまいましたがそれもまた彼の生き方でしょう、願わくば次のステージでは望んだ花を手に入れられるそんな生き方をしてくれたらと思います」


 お ま え も か !


 ふわっとさせても通じるからな!?俺は!生涯!現役!!!!!!!!


 全力で耳を引き絞り不満だ帰らせろアピールのため前掻きする俺を兄ちゃんが両手を使って宥め始める。

 俺のビューティーフェイスが少しばかり歪むがまあよし、兄ちゃんとの戯れは好きだしよきにはからえの気分。


 関係各位の感動のお話が終わったのか再びティトゥスたちがターフに向かう、ティトゥス単体ではなくティトゥスと関係者の記念撮影が始まるのだろう。

 ……一定距離離れる度に立ち止まりチラチラと俺の方を振り返るティトゥス、仕方なしに俺も一定の距離を置いてターフへと戻った、記念撮影にまで入り込むのは勘弁願いたい。


 さすがのティトゥスも空気を読んだのか、はたまた厩務員たちの努力の結果か、ティトゥスを中心に並ぶ人々、その画角から外れた隅っこくらいの位置関係で許された。


 いや許されたってなんだ?俺は無関係だが?


 心温まる触れ合いと撮影を横目に置き去りな俺の心。

 ぼーっとしていると撮影を終えたらしいティトゥスが近づいて来た、ようやく帰れるのかと思ったのも束の間俺と向き合う形で頭を下げるティトゥス。


 …………。


 デジャヴ!!!!!!!!!


 『ハナ、一目見た時から俺はお前がいいと思った』


 『だからお前が引退した暁には俺の嫁に『ならねえよ!?!???』どうしてだ!?』


 『今日の勝ち馬は俺!生涯現役!じゃあな達者で暮らせよ!』


 撮影まで終わればあとは解散のはずだ、後ろで何やら喚くティトゥスを置き去りにしてさっさと引き上げる俺、このままこの場に留まるのは俺にとってよろしくない。


 それに俺は十分付き合った!よくやった!偉い!!!


 ティトゥスはお疲れさん、種牡馬生活頑張れよ!!!!!!


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