表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おは競走馬 ~走れ俺、いやマジガチで死ぬ気で走れ大事なものを守るため!~  作者: noy


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/145

第62話 俺、なかよく歩く


 暮れの中山、競馬に携わる人々が年の終わりを実感する一大イベントといって良い有馬記念、今日はその日である。


 去年出走したマイルチャンピオンシップよりさらに寒くなったころ……やっぱり騎手って大変な仕事だよな、絶対寒い、俺が人間だったらあんな格好じゃ寒すぎて体動かないかもしれない。

 まあ?馬の俺にとってはなんてことない気温なんだけど、生き物って凄いよな種類によってこんなにも体感温度が変わる、来世は出来れば人間、少なくとも変温動物は避けて生まれ変わりたい。


 まあ生まれ変わるのか知らないけどな!そもそもなんで俺記憶持って生まれ変わってんだ!?

 俺が知らないだけで実は皆前世の記憶を持っていて俺が前回たまたま一発目人間で輪廻転生初回なベイビーなだけだったのか、世の中はまだまだわからないことだらけ。


 もっこもこに着ぶくれした人間やダウンを着た関係者とは一転、ともすれば薄着とも言えるスーツ姿の厩務員の人や調教師の人たちを見て改めて考えながら踏み入ったパドック、なんだか雰囲気が浮かれているようでけれど熱を持っていて、今までのG1のパドックとは少し違うこれが年末の祭典ということか。


 「ハナサン今日も元気に走ろうな」


 顔を寄せる俺の鼻面を撫でながら兄ちゃんはそういう、もちろんそのつもりだし元気に優勝してくるから帰ったらフルーツ盛り合わせとかしてくれない?ダメ?糖分過多?

 なぜ俺が兄ちゃんに顔を寄せるのか、単純に兄ちゃんに甘やかされるのが好きというのもあるがこれをすると俺の方に向くレンズの数が増えるんだよな、世の人々は俺×人間の画を好んでいるんだとわかる以上ファンサービスの一環としてやるのもやぶさかではない、ビューティーホース俺の写真なんて無限にあっていい。


 『ハナ!』


 『ん?おー、ティトゥスじゃん、新馬戦振り』


 『覚えてくれてたのか』


 『まあ俺は記憶力もいいからな!それにお前有名だろ周りの人間が話すんだよ』


 『そ、そうか……俺のこと聞いて……』


 『で?どうした、歩きながら話そうぜ』


 兄ちゃんと戯れているところに声を掛けてきたのは通常のパドックの輪より内側をポクポクと歩いていた葦毛の牡馬、新馬戦で衝撃の出会いをしたティトゥスだった……今でも忘れられない、精神にとても悪い……果物のこと考えようイチゴ、メロン、リンゴ、パイナップル、バナナ……バナナ!?

 オッチャンが届けてくれたバナナおいしかったな。


 無視をする理由も少しはあるがするほどではないので相手をしてやる、なんだか神経質そうな顔をしたおそらくティトゥスの担当厩務員が困ってそうだしな、というかコイツ内側回るってまさかクソマイペース野郎3号の可能性?


 新馬戦とは異なりティトゥスが前で俺が少し後ろ側で並ぶようにパカパカと歩く、兄ちゃんは内側へと逸れる俺を制止することはなく好きにさせてくれたがまあこれはおそらくティトゥスが16番で俺が1番なのも関係しているのだろう、その馬の気性や癖によってずらしたりすることはあっても原則は番号順で回る以上大外枠のティトゥスの後ろは最内枠の俺だ。

 ちなみにチラッと確認したがティトゥスは納刀している、ヨシ!


 『全然会えないからどうしてるかと思った』


 『いやー、まぁ俺とお前じゃ牡馬牝馬でクラシックでは別れるし、それ以降も俺の主戦場はマイルだからな、お前長めだろ?』


 『そうだなあまり短い距離は走らない』


 『だよな短めの距離しか走らないマルとは正反対』


 『マル……誰だソイツ』


 『俺の幼馴染?赤ん坊の頃から一緒でたまに同じレースも走る、あと同じ馬主のやつだな!』


 『へぇ、ハナにはそんなやつがいるのか』


 『おう、ティトゥスにはいないのか?幼馴染みたいな』


 『俺はあまりずっと一緒だったっていうやつはいない、何度か休む場所や走る場所が変わったんだ』


 『へー、珍しい気するな、いや他の牧場事情なんて知らないけど』


 『近くの馬房にいた年上のやつが選別だっていってた、優秀なやつはよりよい環境へ行くって』


 『何それ怖い……』


 ティトゥスが育成された牧場は強さこそ絶対!みたいな感じなのか、いや実際俺たち馬の中や走らせる人間から見ても強いは偉いだけどな?

 なにより幼いころからより強い相手、競争相手がいるというのはとてもいい影響があることは俺自身が証明できる、アホ殿は周りにライバルという存在がいなくなってあんな感じになってたし。


 それにしても、なあ?


 『お前も大変だったんだな……』


 『大変?いや……まあいいか、俺はこういった場所で走るのは今回が最後らしい』


 『お、引退なのか?おめでとう!お前なら種牡馬入りだろとりあえず安泰だよな』


 『そうだな……それで、そう、今回が最後だからハナに『ちょおおおおおおおおっと待ったぁああああ!』煩いぞ!』


 ティトゥスが何かを言い掛けたところに割って入って来たのはいったいどこのどの馬なのか。


 そう前回の秋天で絡んで来たクソマイペース野郎2号ことソテだ!!!!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
これはSNSが沸く
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ