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おは競走馬 ~走れ俺、いやマジガチで死ぬ気で走れ大事なものを守るため!~  作者: noy


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第46話 俺、アゲられる


 結局オッチャンに俺の気持ちが伝わったかはわからないまま……まあ十中八九伝わってない、悲しいことに俺は馬でオッチャンは人間だから。

 それでも落ち着いた俺には諸々を終えたことでその場から去ることが認められマルのヤツとは会わないまま退場しその後珍しく異なる馬運車に乗せられ厩舎へと帰された。


 馬運車は急遽どうこうするようなものじゃない、ということはもしかしてある程度こういった状況が想定されていたのかもしれない……。


 厩舎に帰った俺はこれでもかというくらい兄ちゃんに甘やかされた、ひょろさんや他の厩舎の人達にも褒められ可愛がられた。

 いつも以上にていねいにブラッシングされ、通常の飯に加えて俺が大好きな果物も用意され、オマケに角砂糖なんかも貰い、……いやなんだこれ今まで勝った時以上の高待遇なんだよなどういうことだ?おかしいよな?こういう待遇は勝った時こそされるべきだろ!


 もしかして検量室前であからさまにしょぼくれていたからか?メスガキに負けた時は自分の不甲斐なさと怒りで落ち込むことはなかったからな、周りから見ても多分元気ないなとか一切なかったはずだ、体絞るのに励んでいたし。

 つまりひょろさん含め厩舎一同俺が負けたと実感し落ち込んだ状態に初めて出会った結果……それにしてもなんでこんな甘やかしコースなのか、根拠はないがジイサンの波動を感じる。


 勝った時は無条件でご機嫌だから扱いが変わらない説も出て来た、こちらもジイサンの波動を感じる、ジイサンめ!!!!!!!!!!!!!!!


 そうして高松宮記念以降日々愛されるビューティーホースな俺は今日もそのビューティーさを磨くためにシャワーの時間を迎えていた。


 『あ゛~気持ちいいんじゃあ~』


 ブヒュヒーン


 「ハナサンは本当シャワー好きだな」


 『当たり前だろ兄ちゃん馬にとっての数少ない娯楽のひとつだぜ』


 プフプヒュ


 「こらあんまり顔上げるとお湯入るぞ」


 『あーい』


 プフー


 俺は馬になってからシャワーが大好きになった、元々は風呂に好きも嫌いもなかった人間だったがなんせ馬には楽しみが少ない、そんな中普段と違う水やお湯を浴びる行為は楽しみのひとつになっている、特に俺はお湯を浴びるのが好きだ。

 全体を濡らしゴムブラシでゴシゴシ洗われるこの感覚もいい、俺の大きな体を兄ちゃん他人間が一生懸命ゴシゴシしてくれる、まるで殿様になった気分だ、こんな体験おそらく人間だったころは商売のね……ゲフンゲフン幼いころ両親にしてもらって以来のことだろう。


 全体を洗い終えるとまたシャワーで流されその後は汗こきという道具で水分を落として行く、馬になってから初めて知った汗こき、こういう洗った時とか発汗した時にこれをサーっと滑らせて水分を落とすんだよな。

 なんだか大掃除の時に窓を洗ったあとワイパーで水を落とすような見た目でなんとも言えない気持ちになる、俺は……窓…………。


 それを終えるとタオルドライだ、これまた俺の体は大きいので大変そうな兄ちゃん、けど乾かすのもしっかりやらないとならないなぜなら俺たち馬は繊細だから、特に蹄の管理は念入りにされる乾かし過ぎはもちろんダメだが濡れすぎた状態もまたよくない本当に繊細なんだよ。

 タオルドライが終わった後はブラッシングで毛並みを整えられ晴れてピカピカビューティーホースタカネノハナの完成だ、うーん、この至れり尽くせり、最高!!!


 兄ちゃんに綺麗に磨かれご機嫌な俺はパッカパッカと馬房に戻る最中ひょろさんと出会った、ご機嫌なのでハムハムしてやろう。


 ハムハムハムハムハムハム


 「ハナサンますます美人さんになったね」


 『だろー?俺ってばビューティーホースだからな』


 ブフフン


 「そうだハナサンの次走だけどヴィクトリアマイル」


 『あっ』


 あ


 プヒュ


 「って話もあったけど安田記念一本にするって決まったから、また厩舎一丸となって頑張ろう」


 「安田記念ですね、頑張りましょう!」


 兄ちゃんが元気に返事をする、フェイントかけるとかひょろさんめ!けど安田記念か!ヨシ!!!!!


 『マルは!?マルもいるんだよな!?!???!!!』


 頼むぞオッチャン!!!!!!!!!!


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