表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/143

第14話 俺、ハナはハナ


 「この子がクレノの翁の?」


 「はい、牡馬の方も一緒だったんで見ましたけど凄かったですよ」


 「はー、この子も凄いけどねえ、それにしても美人さんださすがタカネノハナ」


 どうもハナ改めタカネノハナです、馬名がタカネノハナです、ハナ+ビューティーホース=高嶺の花、って?

 だまらっしゃい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 オヤツやなんや差し入れてくれたり顔見せに来て撫でてくれたりいいご主人だなと思ってたオッチャンのネーミングセンスは絶望的でした。

 初めて自分の新しい名前を知った時は思わず固まってしまった、そんな俺にジイサンが語ってくれたのは先輩重賞馬であるハナサナイデ(小倉記念)、コノハナイナイ(シリウスS)、ハナサカジイサン(中山大障害)、の頑張りである……それでいいのかオッチャン!本当にそれでいいのか!

 ちなみにマルのヤツはハナマルゴーゴーになりました、まあハナマルゴーゴーよりは、待てよなんかハナマルゴーゴーの方が愛嬌あってかわいいとか言われない?俺はタカネノハナにふさわしいビューティーホースだけど他の馬に自意識過剰とか思われない?


 俺だってオッチャンが真面目に考えてくれた名前なんだからあんま文句は言いたくないわけ、けど限度ってあるだろ?将来のG1馬である俺の名前はつまり実況で連呼されること間違いなし、その時タカネノハナ先頭だ!タカネノハナの先頭!後続馬懸命に追い掛けるが届かないこれは決まった!決して手が届かない後ろ姿は正しく高嶺の花!とかされたりするかもしれない……。

 あれ、ちょっといいかも。


 自分の名前に思いを馳せている俺の前にいるのは俺の引き綱を持ってくれていた兄ちゃんと見知らぬひょろっとしたオッチャン、ってほどではないか?若くはないが年配と言うほどでもない男。


 「事前に聞いてた通り飼い食いは良さそうだね、輸送後新しい環境でも問題ないみたいだし」


 「やったらやった分だけ食べる、でしたっけ」


 俺はそんな2人を前に食事中である、ご飯の時間にもりもり食べるなにか問題が?ないよな、そうだよな。


 「体重管理には気を付けないと、か……」


 「元々先生デカくするの得意ですからね」


 ジイサンだろ!絶対その引継ぎ情報諸々用意したのジイサンだろ!元人間の男だって今は牝馬!牝馬に言っちゃいけないことってあるよなあ!?

 言っておくが俺は断じてデブじゃない、デブじゃないしマルに比べたらかわいいもんだ、マル以外と比較したら……?同世代では大きいほうだった、きっと父に似たんだ。


 それより今兄ちゃんが先生って呼んだな、つまりこのひょろっとしたのが俺の調教師ってことか、自慢じゃないが俺に調教師や馬主、騎手の知識はほとんどない、有名所を知ってるくらいであるつまり俺はこの調教師が管理する厩舎の力がさっぱりわからない。

 さっぱりわからないがオッチャンは俺のことをとてもかわいがってる気がするからきっと悪くない厩舎なんだと思う、マルのヤツと違う厩舎だったのは予想外だったけどそろそろマルも俺離れした方がいいしな新しい環境で友達作り頑張れよ。


 『なあ食い終わったんだけどデザートは?俺が来た喜びを表すウェルカムフルーツあってもよくない?』


 考えながらむしゃむしゃしてたらいつのまにか空になっていた、食い足りないってほどじゃないが牧場で食べていた量より少ない気がする。

 馬栓棒を越えてにゅっと顔を出しじっと調教師のひょろさんを見つめながらふひーんふひーんと鳴く、これをすると姉ちゃんは度々内緒だからねと言いながら果物や角砂糖をくれたのだ。


 「おっと、これが例のオヤツおねだりタイムか」


 「確かにかわいいですね、けどごめんなー今日は無しだぞー」


 ジイサンめ!!!!!!!!!!!


 目に見える反応があるというのは励みになるものですね、ブックマークや評価、リアクションありがとうございます。

 これからも楽しみながら書き上げていくので皆さんも楽しんでいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ