第1話 俺、大事なものを失う
『オイオイオイオイ、待ってくれクールになろうぜ』
『早まるなこの見事な筋肉見てみろよどっからどう見ても衰えてなんてないだろ!?』
『俺はまだやれるって!マジで!なんなら凱旋門賞だって行けちゃうんじゃないかなー!』
『マジか、マジでやる気なのか?嘘だと言ってくれよ!』
『無理無理無理無理!やっぱ無理だって!物理的にはOKでも俺の心はNOって言ってんの!』
『なあ聞こえてんだろジイサン俺はまだまだ現役だってオッチャンに言ってくれよ』
『頼む、後生だから、お願いします!俺がこんなお願いしたこと今まで10度くらいしかないだろ!』
『ちょ、来るな、来るなって!深呼吸しろ!鎮まりたまえ!ジイサン聞いてんのか!?』
『待て待て待て!待ってくれ!本当に!ガチで!オイテメェジジイ聞こえてんだろわかってんだぞ!』
『何笑ってんだよ!良いか覚えとけこのまま行ったらぜってぇその顔面に蹴りぶち込んでやるからなクソジジイ!』
『NoooooOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!』
拝啓父さん母さん、俺はその日とてもとても大切なものを失いました。あなた達の息子であった頃にはそもそも概念としてなかったものです、こんな親不孝な俺をどうかお許しください。
そもそも顔も覚えてませんが、今世の母すらうろ覚えな上その母には威嚇されました、これは俺が薄情なのではなくきっとこの脳味噌がちっぽけであることが原因です。
あなた達の息子はなにがどうしてそうなったのか、馬として強く生きてます。
「ハッハッハ、元気な子孕むんだぞー」
クソジジイは絶対殺す!!!!!!!!!!!!!!!!!!
【脱処○】今年の繫殖入り牝馬を語るスレ【BSS】