表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜譚 【No.301~】

偶然の出会い 【月夜譚No.326】

作者: 夏月七葉

 退屈なパーティーだ。

 グラスに口をつけ、彼女はそっと息を吐き出した。このシャンパンも、大して美味しいとは思えない。

 一応ドレスを着てヘアセットをし、メイクも念入りにしてきたが、会社の行事ともなると心はちっとも動かない。取引先の人間も来ているから本当は挨拶をして回らなければならないだろうが、それは他の社員に任せよう。

 誰かに声をかけられるのも面倒だと思い、彼女はこっそり会場を後にした。一度顔は出したし、何か言われたら具合が悪くなったと言っておこう。

 ホテルの廊下を歩き、テラスに出る。手摺りに近寄ると眼下に街の夜景が見え、夜風が心地良く頬を撫でる。

「おや」

 声がしてそちらに顔を向けると、スーツ姿の男性が缶コーヒー片手に立っていた。彼女はその場から立ち去ろうとしたが、彼に引き留められる。

 成り行きで彼と少し会話をし、それを楽しいと思う自分に驚いた。

 パーティー会場に戻った彼女は、また彼に会えはしないかと密かに願った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ