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宵待月に桜は踊る  作者: 葉隠真桜
第二章
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目覚め

「……ん……ここは……。」

「あっ!ノア君!」

「ノアさん!」


僕が目を覚ますと、僕の横に座っていたミリアとトウカが同時に声をかけてくる。


「僕の部屋……。」

「!?」


そのまま部屋を見回して僕が呟いた一言に、トウカが目を見開く。


「ノアさん……!」

「ノア君、もしかして……?」

「うん。全部、思い出した。……戻ってくるまで長いこと掛かっちゃって、ごめんね、トウカ。」


そんな僕の言葉に、トウカはゆっくり首を振ると、


「ううん、そんなことないよ……。……本当に……よかった……!」


と言い、目に涙を浮かべながらも、


「おかえり……お兄ちゃん……!」


と、笑顔でそう言った。


「うん……。……ただいま。」


そんな彼女の言葉に、僕はそう返事を返す。すると、堪えきれなくなったのか、トウカは僕の胸に飛びついてきて、そのまま声をあげて泣き始める。


── やっぱり、そうだよね……。10歳の時から、1人にしちゃった訳だし……。……本当に、申し訳ないことをしちゃったなぁ……。


トウカの頭を優しく撫でつつそんなことを考えていると、ミリアが遠慮がちに声をかけてくる。


「……え〜っと、つまりノア君は帝国(こっち)の、しかもかなり上の方の貴族ってことかな……?」

「まあ、血筋的にはそうなるね。……だけど、この家と繋がりがあるのはあくまで行方不明になっていたノア=シストだよ。」

「ん?どう言うこと?」

「要するに、"Sランク冒険者のノア"と"シスト公爵家のノア=シスト"は別人だってこと。」

「???」


僕の言うことが分からない、と言わんばかりに首を捻っているミリアに、少し落ち着いた様子のトウカが追加で説明をする。


「……この国では、7歳の時に戸籍登録が行われます。そして、お兄ちゃんはあくまで"行方不明"、つまり死亡はしていなかったことになります。そして、貴族としての身分と冒険者としての身分は全くの別物です。」

「……つまり?」

「ミリアのよく知ってるノア君は、今の僕とは名前が同じだけの別人、ってことにできるんだよ。」

「冒険者はかなり自由な存在なので、多くの貴族が身分を隠して登録してるんです。」

「まあ簡単に言っちゃえば、僕は冒険者として、今までと変わらず活動できるってことだよ。」

「……と言うことは、『雪下の誓い』の解散は……?」

「そんなことしないよ。今の僕も、冒険者の僕も、どっちも僕なんだから。」

「……何かよく分からないけど、今までとは変わらず活動できるんだよね?」

「うん。」


僕がそう答えると、


「よかった〜!もしこれでさよならすることになったりしたら、どうしようかと……。」


と、ミリアは胸を撫で下ろしたような言葉を口にする。


「ところでノア……お兄ちゃん、ステータスってどうなってるのか見せてもらってもいい?」

「あ、確かに気になる。」

「分かったよ。……これで見えるかな?」


僕は鑑定スキルを応用して、自分のステータスを表示する。


────── ノア゠シスト ──────

種族 人族

天賊(ギフト) 刀聖 LV 54

HP 61,587/61,587

MP 186,957/186,957

ATK 97,245

DEF 56,870

DEX 124,589

POW 86,358

スキル 隠蔽、讎ょソオ遐工螢、雷魔法、鑑定、共鳴、時空間魔法、状態異常耐性(高)、精霊視、精霊同調、精霊魔法、繰糸術、超回復、荳?黄蛻?妙、魔導、魔導書、立体機動


特殊スキル 桜花流刀術


契約精霊 アルノー=リストリア


称号 蜈ャ辷オ螳力縺ョ逾樒ォ・

   魔法の神髄に至りし者

   精霊王の盟約者

────────────────────


「「「……。」」」


そこに表示された結果に、僕たちは揃って黙り込む。


「あ、あれ〜……?私の目、おかしくなっちゃったかな……?」

「ミリアさん、そんなことはないと思いますよ……?恐らく私も、同じものを見てると思うので……。」

「うーん、記憶の封印は全部解けたのに、まだ文字化けがある……。」

「なんか1人だけ違うこと考えてない?……ノア君、もっと他に見るところあるんじゃないかな……?例えば、天賦のレベルが限界突破してるところとか、ステータスが6桁になってるところとかさ……?」

「え?それは結構前からだよ?」

「えぇ……。」

「そ、それはそれとして……。記憶は全部戻ったんだよね?」

「うん。」

「じゃあ、なんで文字化けが……。」

「うーん……。……使用条件が整ってないとかかな?」

「そうだね……。それくらいしか思いつかないかな〜……。」

「まあ、この話は後でいいや。とりあえず、父様に報告に行こっか。」

作者の葉隠です!初めての作品なので、至らぬところも多々ありますが、温かく見守っていただけると幸いです。もし気に入っていただけましたら、ブックマークと☆による評価を、よろしくお願いします。

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