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宵待月に桜は踊る  作者: 葉隠真桜
第二章
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記憶 上

── ん……。ここは……?


ふっと体が浮かび上がるような感覚に、僕は目を覚ます。


── この感じ……あの時と同じ……?なら、また記憶が……?


僕があまりうまく回らない頭でそんなことを考えていると、記憶の再生が開始される。


── 7年前 ──

「── ついにモンスター討伐だね、お兄ちゃん。」


森の中を走る1台の馬車の中。僕の隣に座る少女 ── 彼女と会ったからこそ分かるが、おそらくトウカさんだろう ──が、僕に話しかけてくる。


「確かに初めてだけど、今までやってきたことをやるだけでしょ?」

「でも、怖いじゃん……。それに、モンスターとはいえ命を奪うなんて……。」

「確かに、それはちょっと辛いね……。……そうだ、父様。」

「ん?何だい?」


僕の問いかけに答えたのは、先ほど会った時よりは少し若いエルドさんだ。


「トウカが、あまりモンスターを殺したくないって言ってて……。モンスターを気絶させるだけ、といった形でも大丈夫?」

「うーん、そうだね……。……相手を殺さず無力化するのは難しいことだけど、それがやりたいならやってみていいよ。仮にできなくても、それがいい経験になるだろうからね。」

「分かりました。……聞いてた?」

「うん!それなら出来そう!」

「でも、油断はしないでね。危機に直面した生き物は、何をするかわからない存在だからね。」

「分かった……!」


そう言ってトウカは、気を引き締めたようだ。


やがて僕たちは、森の中でも少しひらけた草原にたどり着く。


「それじゃあ、早速やってみようか。」

「「はい!」」


僕たちはそう言って、モンスターの気配を探り始める。


「……いた。」


すると僕が、1つの気配を察知する。そこにいたのは、1匹の角の生えた兎だった。


「これは……ホーンラビットだね。まずはトウカきらやってみようか。」

「分かりました……!」


トウカはそう言うと、手に持った杖を正眼に構え、


「痛かったら、ごめんなさい!」


と言い、ホーンラビットの頭に振り下ろす。それは寸分違わずホーンラビットの脳天に命中し、ホーンラビットは


「キュ!?」


と声をあげて気絶する。


「……うん、上手く手加減もできていたし、これなら大丈夫そうだね。」


その様子を見ていたエルドさんがそう言うと、


「それじゃあ、次はノアの番だね。準備は大丈夫かな?」


と聞いてくる。


「……このくらいなら、問題ない。」


僕はそう言って、腰に穿いていた刀を抜き、構える。そして、


「……シッ!」


そのまま刀を振るい、草むらの中に潜んでいた蛇のようなモンスターを気絶させる。


「……どうですか?」

「これは……!……アサシンスネークを見つけて、逃げられることなく気絶させるとは……。流石は『公爵家の神童』だね。」


僕の気絶させたモンスターを見、父様は驚いたような顔をした後、そう言う。


「とりあえず、2人とも特に問題はなさそうだね。もう少し実戦をやってみたら、帰ろうか。」

「「はい!」」


僕たちはそう返事をし、再びモンスターを探し始める。


「── よし、そろそろ切り上げようか。」


あれからしばらくして、父様がそう声をかけてくる。


「「はーい。」」


そう返事をする僕たちの周りには、気絶こそしているもののこれといって傷を負った様子はないモンスターたちの山ができていた。


「どうだった?」

「最低限試合はできそうで安心したかな。それより、やっぱりお兄ちゃんはすごいね。」

「トウカは戦いじゃなくて支援が中心でしょ?流石に僕がトウカより戦えないなんてことはあっちゃいけないからね。」


そんなことを話しながら帰路を辿っていると、僕は突然肌が粟立つのを感じる。そしてそれと同時に、先ほどまでとは比べ物にならない質と量の気配を察知する。


「……!何か、来る……!皆!気をつけて!」

「え!?何!?」

「トウカは自分の身を守るのに専念して!」


僕が全体にそう声をかけた瞬間、僕の周りに魔法陣が展開される。


「ッ!?何!?」


僕はそう言いつつ、魔法の範囲から逃れようとする。しかし、脱出は間に合わず、僕はそのまま発動した転移魔法に巻き込まれ、どこかへと転移した。

作者の葉隠です!初めての作品なので、至らぬところも多々ありますが、温かく見守っていただけると幸いです。もし気に入っていただけましたら、ブックマークと☆による評価を、よろしくお願いします。

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