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宵待月に桜は踊る  作者: 葉隠真桜
第一章
34/57

顔合わせ

「それじゃあ、新しくSランクになる2人には最後に自己紹介をしてもらうことにして……僕から時計回りに自己紹介をしていこうか。僕はアーサー。一応Sランクのまとめ役みたいなことをしてる。よろしくね。」


先ほどアルバートさんと話していた金髪翠目の青年が言う。


「俺はギル。『竜殺し』って言った方がわかりやすいか?……まあ、俺は基本的に誰かと組むことはねえと思うが、よろしくな。」


燃えるように赤い髪と瞳の、背中に大剣を背負ったがたいのいい男性が言う。そんな彼の顔には、幾つもの傷と火傷の痕がある。


「私はアルバートです。一応チェブリス王国王都ギルドのサブマスターも兼任しています。主に後衛で守りに加わることが多いですが、覚えていてくれるとありがたいです。」


続いて、アルバートさんがそう自己紹介をする。


「次は……アタシか。アタシはアイリス。主な得物は槍だね。新しく入った2人とは所属してる国の位置的にあんまり関わりは無くなると思うけど、よろしく。」


次に自己紹介をしたのは、暗い茶髪を後ろで一つにまとめた、深い海のような色の瞳の女性だ。


「儂はマーリン。ラピズにある魔法学校の校長もやっとる。何か魔法について聞きたいことがあれば何でも聞いてくれの。」


それに続くのは、真っ白な長い髭を生やした老人だ。一見何の危険もないように見えるが、魔力の質が段違いに高い。


「……シュウ。斥候。よろしく。」


そう言ったのは、室内だというのに黒い外套に身を包んだ、背の低い人影だ。声の感じ的に男性なのかな?気配が薄く、不意打ちされたらまず気づけないだろう。


「……俺はレオンと言う。主に使うのは大盾だ。アルバートさんと同じであまり前に出ることはないが、有事の時は任せてくれ。」


続いてそう自己紹介をしたのは、鳶色をした短い髪の男性だ。


── 彼女もそうだけど、彼もどこか見覚えがあるような気がする……。……まさか、ね。


僕はそう意識を切り替え、残りの人の自己紹介を聞く。


「私はメアリーよ。いつもは弓を使ってるわ。あんまり他の人と絡むことはないと思うけど、これからよろしくね?」


そう言うのは、どこかゆるい雰囲気のある薄い緑色の髪と瞳の女性だ。


「ワタシはモレーンと言いマス。いわゆる研究者デスね。何か薬や何かについて相談があれば、気軽に声をかけてくだサイ。」


最後にそう言ったのは、白衣を着た黒い髪と瞳の男性だ。一見やばい人に見えるけど、気配を読み取ると全然そんなことはないとわかる。


「うん。これですでにSランクになってる面子の自己紹介は終わったから……。……じゃあ新しく入る2人にも自己紹介をしてもらおうかな。どっちから自己紹介する?」


アーサーさんの言葉に、僕たちは目を見合わせる。そのままアイコンタクトでどちらが先にするかを決めた後、


「……じゃあ、私からでお願いします。」


と彼女が言った。


── アイコンタクトだけで本当にできちゃったよ……。そうなると……やっぱりそうなのかな……?


僕がそんなことを思っている間にも、彼女は自己紹介を続ける。


「私はトウカ=シストと言います。この度、Sランク冒険者の末席に名前を連ねさせていただく運びとなりました。私が得意なのは神聖魔法です。よろしくお願いします。」

「トウカさんね。よろしく。……じゃあ、次は君かな?」


その声を聞き、僕は自己紹介をする。


「……僕は、ノアです。主に刀を使います。……あんまり人と関わるのは得意じゃないですが、よろしくお願いします。」

「これで自己紹介は終わりだね。……まだ少し時間もあるし、質疑応答の時間にでもしようか。」


全員の自己紹介が終わったところで、不意にアーサーさんがそんなことを言う。


「もちろん、新しく入った2人に向けてでもいいし、逆に2人からの質問でも大丈夫だよ。」


アーサーさんがそう言うと、シュウさんが僕にこんなことを聞いてくる。


「……ノア君に、質問……。その装備、どこで手に入れたの……?……あと、刀はどこに……?」

「確かに、その辺の浅いダンジョンで出るような装備じゃないよね。……ノア君、これについては話しても大丈夫なのかな?」


アーサーさんの僕の言葉に、僕は頷く。


「大丈夫、です。……仮に教えても、簡単には入手できないと思うので。」

「じゃあ、どこで手に入れたの?」

「チェブリス王国王都ダンジョンの、最下層近くの宝箱ですね。」


そんな僕の答えに、場の空気が固まる。

作者の葉隠です!初めての作品なので、至らぬところも多々ありますが、温かく見守っていただけると幸いです。もし気に入っていただけましたら、ブックマークと☆による評価を、よろしくお願いします。

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