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宵待月に桜は踊る  作者: 葉隠真桜
第一章
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考察

夢から目覚め、僕は若干の頭痛を覚えつつ体を起こす。外はまだ暗く、懐中時計を見れば、どうやら今は午前1時ごろのようだ。


── 多分あれが、僕の家族……なんだろう。全く実感はないけど。


僕は懐中時計を見つつ考える。あの夢が正しいとすれば、この懐中時計にはいくつかの魔法がかかっていたはず。でも、この懐中時計からはそういった魔力の流れを全く感じない。ということは、


「どこかで一回これに込められた魔法が発動して、その時の出来事のせいで記憶がない、って考えるのが一番自然か。」


ぽつりと、僕はつぶやく。とりあえず今はあんまり時間がないから、Sランクの認定とやらが終わったら調べてみよっかな。


主様(マスター)、二つほど報告したいことがございます。】


するとナビィが、僕に呼びかけてくる。


(どうしたの?)

【まず、主様の生体情報を念入りに調査した結果、主様は雷魔法を、最上位のものまで使えることが明らかになりました。】


……へ!?最上位!?それって確か、かなりの才能を持った人が魔術だけに人生を捧げてようやく覚えられるものじゃなかった!?


【ええ。しかも主様は、これらを完全に使いこなしていたようです。】

(へ、へえ……。……とりあえず、今は置いておくか。……で?もう一つは?)

【はい、先ほど述べた調査の過程で明らかになったことなのですが、どうやら主様は、何者かに記憶の封印を施されていたるようです。】


その報告を聞き、僕は驚きより納得が先に来た。


(なるほど。確かに記憶の封印ならスキルとかが使えなくなっても変じゃないか。)

【ですが、ごく一部の封印は自然と解除されているようです。】

(その結果が、さっきの夢とこの若干の頭痛ってわけか。ところで、封印されてる記憶ってどれくらいかわかる?)

【はい。どうやら主様が3歳の頃から、10歳の頃までの記憶が封印されているようです。】

(となると……僕がギルドに拾われる直前くらい、なのかな?……ギルマスに聞いたら、何か分かったりするかな?……まあいいや。ちなみに、それって解除したりは?)

【何度か挑戦してみましたが、どうも厳しそうです。もともとの術式がかなり複雑に組まれているのに加えて、数分に一度自動で術式が組み替えられてしまうので……。】


そう答える声は、どこか悔しそうだ。


【おそらく、何かしらのきっかけがあれば自然と封印が解除されるとは思いますが……。その場合、一度に思い出す量によっては脳に異常なまでの負荷がかかり、何かしらの後遺症が残る可能性があります。】

(そっか。……じゃあ、これはゆっくり進めていった方がよさそうだね。)

【お力になれず、申し訳ありません。】

(いや、この封印についてある程度知れただけでも収穫だよ。ありがとね。)


僕はそういってナビィとの対話を終了し、1人考える。


── 多分さっきナビィの言ってた自然と解除された封印っていうのは、僕の天賦(ギフト)と今回の雷魔法のことだよな……。そうなると……ステータス見たら、何かが変わってたりするのかな?

そう考えた僕は、早速ステータスを見てみることにした。


────── ノア=繧キ繧ケ繝 ──────

種族 人族

天賦 刀聖 LV 32

HP 24,675/24,675

MP 20,185/20,195

ATK 38,586

DEF 24,173

DEX 45,271

POW 35,698


スキル 隠蔽、讎ょソオ遐エ螢、雷魔法、鑑定、蜈ア魑エ、時空間魔法、状態異常耐性(中)、繰糸術、荳?黄蛻?妙、魔導

特殊スキル 桜花流刀術


称号 蜈ャ辷オ螳カ縺ョ逾樒ォ・

   紫電の神髄に至りし者

───────────────────


あ、ちょっとだけ見れるところが増えてる。てか、この称号ってなんだ?


[紫電の神髄に至りし者]……雷魔法を極めた者に与えられる称号。全雷魔法の消費MPを75%減少。相手からの雷魔法を無効化。麻痺に対する完全耐性を取得。スキル 魔導 と組み合わせて使用することで、オリジナルの雷魔法を生み出すことが可能。


……一回深呼吸するか。スーッ、ハー。


よし。何もよくないけど。とりあえず、もうこの異常さに突っ込んでちゃダメだね。あの夢 ── というか記憶か、でも言ってた通り、どうやら僕は相当おかしいみたいだから。多分まだ見れてないやつらも、大概やばいんだろうね、きっと。


と、僕がそんなことを考えていると、部屋のドアがノックされる。


「はい、なんですか?」


僕はそう言いつつ、扉を開く。そこにいたのは、宿主のお爺さんだ。


「おお、起きとったか。……なんか、こんな時間にも関わらずミリアとかいう子がお前さんを訪ねてきたんじゃが……。」

「え、まじですか。」

「知り合いかの?」

「はい。……まさかこんな時間に訪ねてくるとは思ってもいませんでしたが。」

「で、どうするかの?一応入り口の近くの休憩スペースで待ってもらっとるが……。」

「……まあ、来ちゃったものは仕方ないですし、話してきます。」


僕はそう言って、階段を降りていくのだった。

作者の葉隠です!初めての作品なので、至らぬところも多々ありますが、温かく見守っていただけると幸いです。もし気に入っていただけましたら、ブックマークと☆による評価を、よろしくお願いします。

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