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籠城

 私はウミカゼ洞をマルタとヒノキと攻略していると、メッセージが届いた。

 スマホからメッセージが転送されたようだ。差出人はダイチ。内容は至急来てくれませんかということだった。

 何だよと思いながらも、私は用事が出来たと告げてマルタとヒノキに別れを告げる。速攻ログアウトして、私は身支度を40秒で整えてバイクにまたがる。


 病院につき、私は急いで太陽の病室に向かっていった。

 太陽の病室の前では怒鳴り声が聞こえる。


「ぜってぇ警察を呼ぶんじゃねえぞ!」


 という怒鳴り声が。

 なんだ?と思いながら私は医者の間をかき分けてのぞき込んでみると、中には男一人が拳銃を構えてサンの頭に突き付けている様子が目に入る。

 なんだこいつ。

 サンは少し怖いのか、固まっている。なぜか九十九たちもいる。


「あのー、どうかしたんですか」

「んだてめえ! 見てわかんねえのか!」

「えっ」


 私のほうに拳銃を向けられた。

 周りの看護婦さんたちはそそくさと逃げていく。


 男は銃を持ち威嚇をしているようだった。

 私はそのまま距離を詰めようとすると、引き金を引かれる。私は銃弾を躱し、思い切り手を蹴り上げた。


「何してんだテメエ! そんなもん持ち出してタダで済むと思ってんじゃねえぞゴラァ!」

「ひっ……」

「おい警察呼べよ! もうこいつは戦えねえから!」

「は、はい!」

「やめ……」


 男は携帯を取り出した看護婦に殴りかかろうとしていたが、私はすぐに蹴り飛ばす。男は今度は逃げることにシフトチェンジしたようだがもう遅い。

 私は男の襟首をつかみ、そのまま壁に思い切り押し付けた。男の血が壁にべっとりと付着する。鼻血出しやがって汚ねえな。


 数分後に警察が到着し、身柄を引き渡す。

 私も取り調べを受けることになって、一緒に警察署に向かった。


「お前も災難だったな。千本桜よ」

「それ昔の名でしょ。ってかなんで私も取調室なの?」

「ま、形式的にな。犯人はお前も共犯だって言ってるから」

「嘘ってわかりきってるくせに」

「ま、その嘘に少しは乗っかってやろうって魂胆だよ。面白そうだしな」


 それで乗っかるなよ。


「で、お前さんはなんで病院に?」

「友達に呼ばれたんだよ。急いで来いって。きっと私なら何とかするって思ってたんじゃねえの」

「だろうな。銃弾を躱すなんて芸当できるのお前ぐらいで、そういう芸当が出来んなら何とかできると思っても仕方ねえよ。実際なんとかしてるしな」

「へへ、褒めんなよ」

「褒めてねえよ。お前は一応民間人なんだよ。あまり危険な行為をしたら警察の俺らが叩かれるんだよ。やめろよ」

「保身のためかよ。私の心配を少しでもしろよ」

「お前はぜってえ死なねえよ。喧嘩じゃ」


 そう言い切る信頼感すげえよ。

 いや、この三島という刑事さんは不良時代からの付き合いだしなんとなく気心は知れてるから言い切れるんだろうけどよ……。


「とりあえず被害者のケアとかもしなきゃならねえんだ。おめえにそんな時間かけてられねえし終わり。帰っていいぞ」

「軽いなオイ」

「それとも泊まっていくか久しぶりに」

「いやだよ。なんも悪いことしてねえじゃん」


 私は釈放されてまた病院のほうに向かう。

 もうすでに外は暗くなっていた。病院では太陽、大地、九十九、相模が私を待っていたようだ。


「で、なんだったの?」

「今朝強盗事件がありましたよね? その逃走犯です。ここに逃げ込んで太陽を人質にしようとしてました」

「ふぅん。で、お前たちはなんでいたの?」

「お見舞いに来たらこういう状況で人質になっちゃって」

「同じく」

「ふぅん」


 私は椅子に座る。


「で、太陽、大丈夫か?」

「は、はい……。拳銃向けられたときは怖かったですけど……。ルナさんが来てくれたので……」

「来いって言われたからきたんだけどな。ったく、大地、お前わざと呼びつけたろ」

「はい。なんとかしてくれると思いまして」

「お前拳銃相手に呼ぶんじゃねえよ……。疲れるんだぞ銃弾躱すの」

「ダメもとで呼んだのですが……。銃弾を躱せるのはなぜなんですか? その、助けを求めておいてあれですがどういう身体能力してるんですか……?」

「え、あれぐらい私でも躱せるよ?」

「太陽……。あれぐらいって……」


 太陽もゲームの身体能力を見る限り相当動けるタイプだからな。アレは余裕だろうな。










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