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その道は阿修羅なり ②

 状況は依然として悪い。

 多分被弾したら死ぬ。割と脳筋気質な私にとって被弾しない戦いというのはキツイ。

 いつも何発がもらう想定で動いてるから……。


「グギャッ、グギャギャッ!」


 阿修羅は嬉しそうな顔を浮かべて攻撃してきていた。サディストか?

 私は攻撃を躱し、反撃の機会を伺うも、図体がデカくて足を殴ったところでという感じはある。


「……しょうがねえな!」


 私は覚悟を決める。

 どうせ死ぬなら華々しく死にてえもんだ。


 私は捨て身の特攻を仕掛けにいった。紫電武装で雷を纏い電光石火で動く。

 そして、まずは腹部に一撃を加えたのだった。あまりダメージはなさそうだったが攻撃ぶちこめて満足だぜ私はよォ!


 私は死を覚悟した。

 だがしかし、攻撃がやってこない。


《修羅龍"阿修羅"があなたに興味を示しました》

《ユニークスキル:阿修羅 を取得しました》


 という声が聞こえた後、阿修羅は図体には似合わない小さな羽根をパタパタとはためかせ空を飛び上がってどこかに向かっていったのだった。

 ユニークスキル阿修羅。

 効果は、一時的に阿修羅の力を身にまとうらしい。


 実際に使ってみると。


 赤いオーラが私の周りから出てるように感じる。

 そして、とりあえず地面をぶん殴ってみると、地面が思い切り陥没した。だが、殴った瞬間オーラが消えてスキルの効果がなくなったと感じる。再使用しようとしても、6時間後に再び使用可能ですというアナウンスがされる。


 アレか。一発の火力をものすごく高める感じ。

 一撃で決めろってことか。脳筋〜。でも私にめちゃくちゃ合ってるぅ。

 

 私はスキルの確認を終えて、カルニベの街に戻ることにした。

 戻ろうとした時、地面に何かが落ちているのを見つけた。私はそれを拾ってみる。鱗のようなものだ。


 鑑定してみると阿修羅の鱗でレア度が9。

 あの龍こんなもの落として行きやがったのか。餞別か何かのつもりか? ありがたくもらっとけ。


 アイツがドロップしたものをすべて拾い上げてそそくさと帰ろうとすると、私の周りにプレイヤーが集まってるのが見えた。

 

「君、独り占めは良くないよ」

「はぁ?」

「それ、ユニークモンスターが落としたものだろ」

「そうだけど何か関係あんのかよ」

「それはみんなのものだ。独り占めするなんてよくないことだよ」

「知らねえよハゲ。てめえさては見てたな? 苦労せず何かを手に入れることはできないと思え。じゃあな」


 私は帰ろうとすると、背中から一発剣の攻撃を喰らった。

 

「独り占めはダメだよ」

「あの、その人が戦ってたのでその人のもので……」

「そうだそうだ。お前が言う権利は……」


 どうやらコイツだけらしい。他は外野で見てただけっぽいな。

 それに今の不意打ち。これで正当防衛が成立するようになった。私はニヤリと笑う。


「阿修羅の鱗を分けてくれたら何も言わないし、何もしない。独り占めはダメってことを言いたいだけだ」

「何もしてねえ奴が独り占めだなんだの言うんじゃねえよハゲ。殺すぞ」

「はい暴言」


 そいつは私に剣を突きつけてきた。

 私は剣を弾き、そのままぶん殴る。


「喧嘩ふっかけてえんなら最初からそう言えよ! さっさとやろうぜ!」

「喧嘩? 違うね。蹂躙っていうんだよ」

「そうか? ま、そうなるな!」


 私は剣の攻撃を避けて右ストレートを喰らわせる。

 そしてそのまま馬乗りになり、顔面を何度も打つ。


「やめ……!」

「あァ? 喧嘩ふっかけておいて謝罪もなしにやめろはねえよな」

「わ、悪かった……」

「聞こえねえな。悪かった? 何偉そうにしてんの? ごめんなさいと一言もいえないの?」

「ごめんなさ……」

「そんなちっせえ声じゃ聞こえねえよ!」


 私がトドメを刺そうとしたとき、外野の人に攻撃されて止められる。

 私は立ち上がり、舌打ちをした。


「ダメですよ、PKは……」

「そうだな。喧嘩ふっかけられて熱くなってたぜ」

「それにしても、あなた強いんですね。あのモンスターに勝つなんて……」

「勝った……とは言えねえけど。あれは勝った扱いにできん」


 ただ、満足して帰ったようなもんだからな。


「ですかね。あれに攻撃を加えられた時点ですごいと思いますよ」

「そうか?」

「僕も以前遭遇しましたがダメージすら入りませんでした」


 ほう。

 となると、満足する条件ってのはダメージを与えることなのか?

 わからんけど結果ヨシなのですべてヨシ。


「ルナさん! ぜひ俺のチームに入んねえっすか!」

「あ、抜け駆けダメだぞってかこの人チーム入ってるよすでに!」

「うそ!? ちくしょー、早めに声かけるべきだったぜ!」

「いや、チームは身内で作ったし入るつもりねえよ最初から」













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