眠りを妨げる者 ②
魔法使いの骸骨は杖を振りかぶる。
そして、また魔法を放ってきた。サンが魔法を切り裂こうとしたが、実体がないものは切り裂けなく、サンが魔法を被弾する。
ツクモは槍を構えて距離を詰めて一突き、が、杖で防がれていた。
「チッ……」
「サン、大丈夫か!?」
「なんとか!」
サンは私より魔法防御力があるからか私よりあまり体力が減っていなさそうだった。
サンは剣を握りなおし、魔法使いの骸骨と向き直る。私も観察することにした。ツクモは私の視線を見て、意図を察したのか牽制役をやってくれるようだ。
こっちは近接が三人。相手は遠距離。近距離もそこそこ行けるとみていいな。さすがに遠距離が得意だから近接は力負けしやすい。槍のような武器を防ぐのでやっとのように見える。
私の思い一撃は防がれなかったのを見ると、私の攻撃では力負けすると踏んでるのか? サンが未知数だが、サンの攻撃も多分防がれないだろう。
だがしかし、剣での攻撃も少し隙がある。
武器特有の隙。連撃ができるのは素手の大きな特権。だがしかし、武器持ちよりは火力が劣る。
そして、あまり素早くないな。
あまり動き回らないというのが正しいか。ツクモの攻撃を杖ではじいている。はじいて攻撃を逸らしている。動き回らないのはありがてえ。すばしっこく動いて魔法を放ってくる敵だったらマジできつかった。
「いけるな。よし。サン、やるぞ!」
「は、はい!」
私は拳を構えて距離を詰める。
すると、こっちに気づいた魔法使いの骸骨は魔法を放ってきた。私はぎりぎりで躱し、右ストレートを魔法使いの骸骨に食らわせる。
そして、それと同時に横からサンとツクモが攻撃を食らわせていた。
「オォ……」
「っし、攻めるぞ」
私はMPポーションを飲みMPを回復させて紫電武装を再び発動した。
雷を纏う私を見て、魔法使いの骸骨は固まっている。私は顔面に思い切りこぶしをぶち当てたのだった。
雷がほとばしる。
魔法使いの骸骨にも雷が伝達していき、感電。
骨が焼き焦げ、そのまま粉微塵と化していったのだった。
「えっ」
「ええ?」
魔法使いの骸骨が倒れた。
私としても予想外だ。ステータスがアップしてるとはいえ一撃で倒れるようなものなんだろうか? それとも一撃で死ぬ条件みたいなのが満たされてたのか?
まぁ、なんにせよ……。倒せたのならよかったな!
魔法使いの骸骨が倒れると、さっきまで魔法使いの骸骨が眠っていた墓が突然動き出した。墓がずれていき、階段が露わになっている。
「お、階段」
「あいつを倒すことがトリガーだったのか。まぁなんにせよお前ひとりでよかったな今回は」
「運がよかっただけだろ。あれで死ぬような体力してなかったから雷に弱かったんじゃねえの」
「ですね。弱点属性だったのか、あるいはルナさんの雷にはアンデッド特攻とかついてたりとか?」
「アンデッド特攻はねえから雷が弱点属性だったんだろ」
私は一応またMPポーションを飲み干しMPを回復させておく。
そして、出現した階段を一段、一段と降りていくのだった。ちなみに階段の段数は13段でした。




