次の町へ!
冒険者ギルドに改めて集合した。
ピンク色の髪の女の子が相模……プレイヤーネームはスタァ。
スタァはニコニコと笑っていた。私も合流し、ツクモ、ダイチ、サンと合流する。
「ではチーム申請しますね。リーダーは誰がやりますか?」
「そりゃ言い出しっぺだろ。な、リーダー」
「え……?」
「決まってること……だ。うん。サンちゃん。君がリーダーだ」
「さんせーい!」
満場一致でサンがリーダーになったのだった。
リーダーはサン、サブリーダーはダイチと決まって行き、最後はチームの名前を決めることになった。
チームの名前は作ってしまったら変えるのにゲーム内通貨がかかるらしい。それも結構高額な。だからこそ、あまり後悔がない名前の方がいい。
「名前どうするよ」
「名前かぁー。ネーミングセンスが問われるよねぇ」
「名前……」
サンは名前と聞いて少し頭を悩ませていた。
名を決めるのは案外難しいからな。ダイチは何も言わずにサンの言葉を待っている。
サンがつけたい名前にしろってことだ。私たちは文句言わねえから。
「うーん……。何かいい案ありますか?」
「なにか自分がかっこいいとか、可愛いとか思う名前でいいんだよ」
「かっこいい……」
「あとは神話とかそういうのからとってきたりとかな。羅愚奈呂苦とかいう暴走族もいるくらいだし」
「どういう字で書くんですかそれ……」
「羅針盤の羅に、愚者の愚、奈落の奈に呂布の呂、苦しむの苦だな」
「当て字にも程がありますよ」
「だよな」
どうも漢字で書きたがるんだよな。
「……神話、かっこいい」
「何かあるか?」
「……ええと、神話とかではなく、パッと思いついたのだと、人間失格、羅生門、浮雲とかでしょうか」
「……流石に人間失格ってのは」
「いいんじゃね? 人間失格面白そうじゃねえか」
「ですよね! 私たち人間失格ですから!」
「俺まともだと思ってるんだけど……」
「私もいいよー! 人間失格! なんかちょっと興奮するね!」
「お前そっちの気あるの……?」
どうやらチーム名は人間失格でいくらしい。
普通に考えてみれば割と蔑称に近いような名前だが……。まぁ、たしかに私も恥の多い人生を歩んできたしな。間違いとは言えねえよ。
「チーム人間失格、始動だな」
「ですね。登録を済ませました」
表示されている名前の色が変わる。
青色だったのが黄色になっていた。黄色はチームに入ってるっていう証か。なるほど。
「チーム作ったし、記念として何かやりますか?」
「はい! 次の町に向かいませんか?」
「次の? となると三択ですね。道が三つありますし、どこへ向かいましょうか」
「死者の町はどうだ?」
「お前よくそんなネームからして恐ろしいとこ選ぶな」
「面白そうだろ?」
「ホラー! 行きたいです!」
「よし、決まりだな。リーダーの言うことは絶対。死者の町カルニベに向かうぞー!」
ホラーどんとこい!
どんな脅かしがあるかな。




