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相模が仲間に加わった

 私は相模のことを報告し、それならOKということで辞令が下るようだった。

 私と九十九、相模が社長室に改めて呼び出される。昨日交換してからすげえ連絡し合ってるよ。今日の晩御飯とかいろいろ。


「社長からなんですかね? なにかしたのかな……」

「思ってるよりかは……いいことだと思う……」

「ま、私は何言われるか分かってるけど」


 私は社長室をノックして中に入る。

 中にはすでにダイチもいて、社長が座っていた。


「社長、お待たせいたしました」

「ああ、よく来たね……」


 社長は椅子から立ち上がり、私たちの前に立つ。

 すっげえオーラ。なんだろう、本当に偉い人のオーラがする。もう身なりからしてわかるもんな。私は思わずちょっと緊張していた。


「相模くん。君はゲームとかプレイするかな」

「え? あー、人並みにはします、ね?」

「アクションとかは……」

「結構好きです! そういうの憧れてるので!」

「そうか……。まぁ、とりあえず座ってくれ」


 座ることを促されて、私たちは社長室の椅子に座った。

 少し沈黙が流れる。そして、社長は口を開いた。サンのことを説明し始める。心臓病で余命宣告されたこと、そのサンのためにいろいろしてあげたいこと。

 事情を説明すると、相模は少し涙目だった。


「……ひっく」

「泣いてる?」

「だって可哀想じゃん……。私だったらもっと泣き叫んでるよ……。強い子だねぇ……」

「ま、確かに強い子だな」


 余命宣告されても前向きに生きてる。

 誰よりも強いのは確かだ。


「わかりました! 私はその太陽ちゃんとゲームをやればいいんですね!」

「そうだ。すでに久我くんはその業務をしている」

「おう。すでに知り合いだ」

「九十九くんも頼みたい。どうだろうか」

「は、はい! 精一杯、やらせていただきます!」

「それはよかった。相模くん、明日から頼めるかな」

「明日、ですか!?」

「だめだろうか」

「ちょっとやるとなると引継ぎとかあるんで明後日でお願いしたいです! 太陽ちゃんのためにも全力で引き継ぎ終わらせるんで!」

「わかった。無理な願いを聞いてもらって申し訳ない」


 社長は深々と頭を下げた。

 九十九と相模は社長の様子に戸惑っている。私はもう慣れた。娘思いの父親だしな。


「んじゃ、顔合わせと行こうぜ。ダイチ」

「そうですね。九十九さんは会ったことありますが、相模さんはありませんから」

「うん……! お土産とか何持っていけばいいですか? アレルギーとかあります?」

「アレルギーはありませんが……。顔合わせだけなのでお土産などはいいですよ」

「そ、そうですか? わかりました」


 相模は勢いよく立ち上がり、早く行こうと急かしてくる。

 九十九もそれについていって、私も行こうとするとダイチが耳打ちしてきた。


「あの子本当に裏表ないんですよね?」

「見た感じねえけど」

「ならいいんですが……。見た目とは裏腹にすごい活発な子ですね」

「九十九が知り合う子だぞ? 私然りおしとやかな少女が近づくわけねえだろ」

「それはたしかに……」


 あれはおしとやかな子は迷惑かなと思い込んで近づかないタイプだからな。

 私たちは駐車場に移動し、私は自分のバイクにまたがる。


「……あれ、入院している病院ってどこですか?」

「とりあえず私が運転するから鍵を貸せ」

「はい!」


 私は相模の車の運転席に乗り込み、鍵を差し込んだ。

 こいつこの見た目でめっちゃごつい車のってやがる。なぜワゴン車。


「なんでワゴン車なんだ相模……」

「うち、家族が大家族なのでよくこれでおでかけするんです。平日はあまり使わないので出勤するための車として使わせてもらってるんです!」

「あーなるほどね」


 そういうことなんか。似合わねえって思ってごめん。












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― 新着の感想 ―
[一言] ふふふ、何事もなかったかのように相模ちゃんに接してるふふふ。
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