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即席パーティ

 ツクモの実力は申し分ない。

 私はとりあえず隣町までキャリーして、冒険者ギルドに連れて行き登録させる。そして、即席パーティ募集しているメンバーを見て、適当にツクモをぶっこんだ。


「本当に俺一人で行くのか……?」

「なに生まれたばかりの小鹿みたいな感じでいんだよ。私とは話せんだからいけんだろ」

「だがよ……」

「ごちゃごちゃいうな! コミュ障直してえんなら人と関わるのが一番なんだよ!」


 私がそう言って背中をたたき、募集メンバーのもとに連れて行く。


「あ、あなたがメンバーになってくれたんですか?」

「え、あ、はい……」

「きゃーっ! イケメンーっ!」

「たしかにかっこいいですね……。同性が来てくれて助かりました」


 眼鏡をかけた男の人がくいっと眼鏡を上げる。


「改めまして! 私はサクラッコっていいますー! 今日はよろしくお願いします!」

「僕はギャバといいます。ぜひよろしくお願いしますね」

「私はミリーっていいます。本日はよろしくお願いいたします」

「えっと……俺は……つく、ツクモ、です」


 少しドモりながら答えている。

 私にはすんなりいえるくせに。気心知れているというのもあるが、私はあんたの幼馴染とかじゃないのにこんな位置にいるんだぞ。

 ツクモたちの会話を近くで盗み聞きしながら、動向を探る。

 

「まずは一緒に討伐クエスト受けませんか? 私たち全員まだ昇格もしてないのでランクを上げたいですもん」

「そうですね。ゴブリンの討伐クエストはどうですか?」

「お、いいな! それにしよう! 10体だから一人2体くらいでいいしな!」


 ということで、ゴブリン討伐に決まったようだった。

 ゴブリン討伐クエストは今日私が受けたクエスト。一日に二回ブンゴリ山に行くことになるとは……。ジェネラル倒したばかりで辛いんですけど。


 四人はブンゴリ山まで向かっていった。そしてブンゴリ山のふもとのゴブリン5体の集団を見つけ、戦闘態勢をとっていた。

 まず先手を取ったのは剣を手にしたサクラッコさんだった。サクラッコさんが剣を構えて速攻を仕掛けていた。ゴブリンにダメージを与える。


 ゴブリンが棍棒を構えてサクラッコさんめがけて振り下ろそうとして、その間に盾を構えたミリーさんが介入した。

 その隙を狙ってギャバさんが弓矢で狙撃。ツクモも槍を構えて攻撃に移っていた。


 いい連携だ。即席とは思えないくらい結構できてる連携。

 

「ツクモさん物静かでとてもクールですね」

「え、あ、ありが、とう……」

「イケメンは何やっても様になるなー!」

「ですね。羨ましい」


 どうやら口数が少ないからクールって言われてるらしい。そんなんじゃねえぞそいつ。

 戦闘を終えて、まだ足りないと言ってほかのゴブリンを探しに向かっていた。その時、ツクモのパーティがゴブリンの集団に囲まれていた。


「えっ、こんなにゴブリン……」

「何体いる……?」

「ひーふー……。ざっと……50?」

「多すぎるよ!? どうしよう!? これ負ける!?」

「……おい、どこかで見てんだろルナ! 助けてくれ!」


 とツクモが救難指示を出した。

 仕方ねえな。私は茂みから飛び出し、背後からゴブリンをぶん殴る。


「ツクモ、高くつくからな!」

「悪い……」

「だれ!? でも助かる〜!」


 私はゴブリンを蹴散らしていく。

 レベルもそこそこ高いからほぼ一撃で沈められるようになったのは幸いだな。

 ゴブリンを殲滅し、私はツクモに声をかけた。


「終わりだな。ほら、帰ろうぜ」

「お、おう……」

「つ、強いですね……」

「まぁな。こういうのは得意だから」


 私はツクモの隣に立つ。


「お前私に頼らずにゲームできるようになれよ?」

「……善処する」


 それしねえやつのセリフ。









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