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異世界ファンタジー書くなら、中世ヨーロッパの生活様式や当時の人々の価値観はちゃんと考慮しとけよ!

 どうも、熊ノ翁です。

 いつものようにどったんばったん大騒ぎな楽しい創作界隈なわけですが、本日のトレンドはタイトルとなってるコチラです。

 

「異世界ファンタジー書くなら、中世ヨーロッパの生活様式や当時の人々の価値観はちゃんと考慮しとけよ!」


 この手の話題は、本読みの間ではそれこそ平成初期の時代から、つーか多分もっと昔から語られ続けてきた伝統と格式ある口論の火種なわけでして。

 熊もTwitter上で何度かこの手の話題が盛大に火柱上げてる所を見たことがあります。

 まあそんな火力に定評のある話題なわけですが、おっかなびっくり語っていくとしましょう。

 皆様、消火器の準備はよろしいですね!?


 さて。

 まずなんでまた「異世界ファンタジー書くなら中世ヨーロッパの事を考慮しとけ」という事がこうも繰り返し言われるのでしょうか。


 ぶっちゃけた話「異世界」の「ファンタジー」は現実の「中世」でもなければ「ヨーロッパ」でもありません。

 にもかかわらず「じゃがいもは中世ヨーロッパには存在しないのになんでファンタジーで出てくんだ!」とか「騎士が王様に口答えするとかあり得ねぇ」とかなんかまーそんな感じの事が右向いても左向いても叫ばれたりしてます。


 歴史も世界もなんもかんも違うはずの「異世界ファンタジー」ではありますが、往々にして王様がいて、騎士がいて、平民がいて、といった感じの身分制度があり、村には水車や風車が並んでて、ロドスの城塞都市みたいなビジュアルした街並みが出てきたりしてます。

 貴族にしたってミカドとかファラオとか関東管領とか勅史とかそんなんじゃなくて、侯爵マークウェス伯爵カウント子爵ヴィスコントと、そんな感じに呼ばれてます。


 なので「なんとなく中世ヨーロッパっぽい」要素が見受けられるから、剣と魔法の「異世界」の「ファンタジー」であっても現実の中世ヨーロッパとの齟齬をつつきたくなるんでしょう。


 正直これ、あくまでふわっとした読み手の「中世ヨーロッパ風」の感性のレンジ内に納まるかどうかの話なんですよね。

 だから許容範囲も人それぞれ異なってくるわけで。

 その辺がこの話題が常日頃から答えの出ない大乱闘を繰り広げることになる原因なんじゃねーかと熊は見てます。


「んな事ねーよ! 中世ヨーロッパの文化や風習そのままに世界観構築すりゃいいだけの話だろ! ベンキョーしろよベンキョー! おめー作者なんだろ?」とおっしゃる愉快な方もいらっしゃるかもしれませんが、それ実際にやるとこんな感じになるんすよな。


・皆さんノミやシラミまみれで貴族もそれは変わらない。

 なので王女様だろうが何だろうが問答無用で寄生虫パラダイス。


・城塞都市は多少の排水設備があったが、そんなもんで現代社会みたいに排泄物を全部綺麗に処理出来るはずもなく、町中に余裕で排泄物が転がってる。

 つまり町の中が超汚い。

 農民?

 野グソしたり、家畜小屋にうんこ垂れてブタに食わせたりしてますが。


・ペスト流行って「風呂が病気の原因」と中世後期では考えられるようになり、風呂に入りたがらない人が多くみんな汚い。

 気になるあの子も、さわやかスマイルなイケメン騎士も、大体皆さん風呂嫌い。


・騎士道精神なんてもんは存在しない。

 攻め落とした街で乱暴狼藉働きまくり、強盗強姦クライムパーリィナイトを開催なさるのがナイト様。

 この辺は日本の戦国時代もそんな感じだけど、騎士道やら武士道やらといった美学や精神性は争いが無い時に培われ広まるものです。

 

 そんで、こんな中世ヨーロッパの世界観に忠実な「異世界ファンタジー」を作ったとして、楽しめる人どれくらいいるのと。

 もちろん、いないとは言いません。

 いろんな読者さんがいますし、そういう世界観を上手く取り入れ、面白い物語を作り上げる作者さんもいるでしょう。


 でも、果たしてそれが一般的な「異世界ファンタジー」に求められる、多くの読者が期待するファンタジーの世界観なのかというとちょっと、いや大分ズレがあるのではないでしょうか。


 だもんで、この手の意見をバカ正直に真に受けて「よおーし! 今度の主人公は強い騎士様にしよう! 趣味は略奪と放火! ヒロインは頭に1000匹シラミを飼ってるオシャレな姫様で、朝は綺麗なおまるにうんこする!」とかやっちゃうと、かなーりその、世間一般でイメージされる「異世界ファンタジー像」から逸脱してしまう危険性があります。


 もちろん、物語にリアリティを持たせるために史実を参考にするというのは手段の一つではあるわけですけども。

 それもあくまで「読者さんを楽しませるため」であって物語作るうえで都合が悪いなら従う必要ありませんし、無視した方が話が面白くなるってんなら「現実」の「中世ヨーロッパ」に囚われる道理はありませんやね。


 まあ何にせよ、この手の話題はスターウォーズ作った偉大なる映画監督ジョージ・ルーカス様がインタビューで語ったこの言葉が全てでしょう。


「俺の宇宙では音がするんだよ」


異世界ファンタジー書くなら、中世ヨーロッパの生活様式や当時の人々の価値観はちゃんと考慮しとけよ!……END

最後までお読み頂き有難うございます。


もしよろしければ、こちら↓↓↓の広告下にございます「☆☆☆☆☆」欄にて作品への応援を頂けますと、今後の励みとなります。


よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 最大の問題は中世ヨーロッパを18世紀辺りまでだと思ってる作者が結構いたことだと思う……なぜかナポレオン辺りまでは中世だと思われてる節がある。 結局のところ作者が世界をイメージできてないのが伝…
[一言] 中世ヨーロッパの史実にもとづきたいのなら、まず魔法をジョン・ディーとか実在の魔法使いのやっていた史実に語られる魔法にのっとたものにしないといけないのでは? といつも思います。
[一言] まぁ、知ってて書かないのと全く知らないのでは太陽と月ほども離れているので知っているに越したことはないと思いますが。 違和感が強すぎて読み進められなくなる閾値は人によって違うので、まぁほどほど…
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