キャラメイク
目が覚めると、春の陽射しが降り注ぎ小風がそよぐ青々とした草原に立っていた。
「本当に再現度が高いな、現実で起きてるみたいだ。」
試しに草を千切ってみると現実と何ら変わりない感覚で、あの謳文句は嘘じゃなかったんだなあ。と思いながら草から目を放すと何か白い球体が浮いていた。
「…ああ、サポートAIか?」
キャラクタークリエイトに必要な説明をしてくれるサポートAIは時に女神だったり妖精だったりするがここは球体なんだな。
「YES!Meは消費者様の案内係をMasterから仰せつかったサポートAINo.…なんだっけ?…ゴホンッさあ、Masterの管理する世界に侵入しようとする来訪者よ!今ここでYOUの仮初のBodyを決めるのです!」
「!?」
なんかキャラが濃いAIが来たぁぁ!?
消費者って、確かに合ってるけれどそれ本人に直接言うのかよ!それに侵入って、確かにそれもAIからしたら合ってるだろうけどさあ!
無駄に英語の発音が良くて明るそうだがそこはかとなくポンコツと陰険な感じがするして心配なんだが!
「Why?speedyに終わらせますよ。Meも暇ではないんですから。」
こいつ、顔がないくせに態度がまるわかりなんだが!絶対に今顔があったら鼻で笑いながらこっちを見てただろ!
運営は何を考えてこんなAIを作ったんだよ!これ、殴ったら流石に不味いか?
「う~ん。どうやらYOUは決断が遅いようですね?良し、Meは優しいので粗方YOUのbodyを決めてあげましょう!」
「はっ?いや、ちょっとまー」
「うん、YOUは判断力が低そうなのでAlmightyな人族でOK!ステータスは同じ理由で速さ特化。スキルは物理は後でもGET出来るので魔法と生産で…。眉目も美形にしておきますね!良し、All Clearr!じゃあ、お待ちかねのランダムスキル~!はい、ど~ん!こっコレは、大ハズレレアスキルの『経験値2倍』!Gutto lack!それじゃあ、良いLifeを!」
勝手に話が進んだだと!?
「ちょっと、待てって言っただろうがぁ!!」
俺の叫びは直ぐに消えた奴に届くことはなく全て終わったためか視界も暗転して意識が消えた。