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異界転生譚 シールド・アンド・マジック  作者: 長串望
第十八章 イッツ・ハード・トゥ・セイ・グッドバイ、バット
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第五話 蒸し風呂

前回のあらすじ


いざ帝都風呂巡り!

……の前に、帝都風呂事情。

そして今回からやっと帝都風呂巡り!

「最初はここ! 《熱狂大猩猩(アブソルビタ・ゴリロ)》!」


 ウラノの案内で連れてこられたのは、帝都内では珍しいログハウス風の外観をした風呂屋だった。

 入り口上部に掲げられた看板には、毛むくじゃらの猿人が両手で胸を叩いているような絵が描かれていた。


「……ゴリラ?」

「なんでゴリラ?」


 強めの店名とド派手な看板のわりに、中に入ってみれば木製品を主とした落ち着いた内装である。

 観葉植物もちらほらと見られて、洒落ているだけでなく、穏やかでリラックスできそうな雰囲気だ。

 休憩所らしき場所で長椅子に横たわる客層もどことなくはしゃいだ感じがなく、年齢層は比較的高めかもしれない。常連客同士の話し声も静かなもので、時折聞こえる笑い声も優しいものだ。


 脱衣所で手早く服を脱ぎ、化粧を落としながら、ウラノは雰囲気を壊さない程度の声量でこの風呂屋の売りについて朗々と語った。


「ここの売りは何といっても蒸し風呂だね」

「サウナがあるんだ」

「蒸し風呂があるってんじゃない。ここは蒸し風呂の専門店なのさ」


 蒸し風呂。サウナ。

 湯につかるのではなく、熱せられた蒸気を浴びてあたたまる類の風呂だ。

 日本語の風呂という言葉も、もとは蒸し風呂のことをさしていたともいわれる。知らんけど。


 紙月と未来も、以前事務所の庭に期間限定で設営されたサウナを楽しんだことがあった。

 北部出身者が故郷を思って、毎年冬場に庭を借りて作るのだ。広さはさほどでもないし、男女で時間も分けられているし、むくつけき冒険屋どもが押し合いへし合いしながらじっと熱気を浴びているのだからそりゃあもう暑苦しくてむさくるしいのだが、寒い冬にはそれがまた、たまらぬ心地よさであった。


 この《熱狂大猩猩(アブソルビタ・ゴリロ)》もまた、北部出身者が始めたのだという。

 番台に構える毛むくじゃらの大男(たぶん)がそれなのだろう。あるいは看板のモデルはこの人なのかもしれなかった。

 売店で売っている商品も、サウナハットやサウナマット、塩など、普通の風呂屋では見かけないものが置いてあった。塩は体に塗るものであるらしく、塩を塗ってサウナで汗をかくと、肌の保湿効果や引き締め効果が期待できるそうだ。知らんけど。


「オレは冬の北部はあんまり行ったことないんだけどね。寒いから」

「雪はきれいなんだが、とにかく寒いもんなあ」

「寒さはともかく雪かきが大変だったね……」


 雪国は、観光するにはよいが、住むにはつらいとはよく言われる話である。


「最近の風呂屋は蒸し風呂付きのとこも増えてきたんだけどね、どれも小さめの部屋をくっつけて、そこで鉄暖炉(ストーヴォ)焚いて蒸し風呂にしてる感じだね。代り映えしないんだ。ところがこの《熱狂大猩猩(アブソルビタ・ゴリロ)》は、なんと蒸し風呂だけ! 蒸し風呂専門店ってわけだね!」

「おお、思い切った店だな」

「なんとなくサウナってお風呂のついでっていう感じだったなあ」

「ふふふ、それじゃあ今日は蒸し風呂の良さを思い知ってもらおうじゃないか! 別に他の蒸し風呂にケチをつけるわけじゃないけど、ここの蒸し風呂は中でも飛び切りだからね!」


 サウナ自体の経験が少ない未来としては、なんかただ暑苦しい部屋でじっとしているだけというのがサウナへの印象であった。寒い冬にはいいものかもしれないが、普通の風呂に比べて特別な良さは特に感じていない。

 脱衣所を抜けると、普通の風呂屋とは違い浴槽があるわけではなかった。一応あるはあるのだが、それは水風呂であるという。なにかの苦行めいて冷水に挑む客や、奇妙に恍惚として寝椅子に横たわるものなどが伺えた。


 肝心の蒸し風呂は、いくつか設けられた扉の向こうにあるのだという。

 分厚い壁の向こうにあるはずなのだが、なんとなく壁越しにもその熱気が伝わってくるようでさえあった。まあ完全に伝わってきてたら断熱性が最悪でサウナなどやってられないだろうが。

 扉にはプレートが取り付けられており、例えば「煙風呂(フマ・サウーノ)」といった聞いたことのないものや、「乾式」「湿式」などなんとなく内容が伺えるものもある。

 ウラノが二人を引っ張っていったのは、一番奥の部屋であった。

 プレートには「霧風呂(ネブラ・サウーノ)」とある。


「フムン? 普通のとは違うのか?」

「ふふふ、そうとも! これこそが蒸し風呂専門店《熱狂大猩猩(アブソルビタ・ゴリロ)》の一押し風呂! 低温蒸気蒸し風呂さ!」

「て、低温蒸気蒸し風呂!?」

「な、なんだってー!?」

「うん……なんか反応を求めちゃったみたいでごめんね」

「いや、まあちょっと楽しかったし」

「そうそう」


 ちょっとぐだりながらも扉を開けると、むわりと湯気が広がる。湯気、というよりはこれが霧風呂(ネブラ・サウーノ)の霧であり、低温蒸気ということなのだろう。

 熱気が逃げないように、三人は速やかに中に入って戸を閉めた。


「うわ……本当に霧だなこりゃ」

「まるで雲の中にいるみたいだね」

「面白いだろ? 足元には気を付けてね」


 壁際の長椅子に腰かけて、改めて室内を見てみると、まさしく霧の中であった。それも濃霧も濃霧、まるで牛乳にでも漬け込まれたかのような真っ白な霧の中である。

 一応天井に照明はあるようなのだが、濃い霧に光が散らされて正確な位置はわからず、ただぼんやりと霧全体が明るいのだった。


 足元の感触と、尻の下の椅子の感触こそ確かなものだったが、隣にいる相手の顔さえ少し離れるとわからなくなるような霧の中である。

 ぼんやりと座っていると、それこそ方向感覚、どころか上下の間隔や時間の感覚さえ狂ってきてしまいそうな幻想的な世界である。


 そうして霧に驚き、霧に慣れ、霧を堪能し始めて気づくことがある。


「あれ……そんなに熱くない?」

「フムン? そういやそうだな。俺でも普通に耐えられる」

「紙月、事務所のサウナだと結構ばててたもんね」

「面白いだろう? 他の蒸し風呂と比べて涼しいから、じっくりのんびり楽しむのにちょうどいいんだ。この霧も、肌やのどが乾かないから、楽でいいだろ?」

「確かになあ」


 涼しい、と言っても室温は50度弱程度はある。かなり蒸し暑いくらいの室温だ。

 もしも夏場の野外で同じ温度だと聞いたら、それだけでくらりとするほどの暑さである。しかし、それがサウナとなるとなんだか不思議と心地よく耐えられるのであった。


 むわっとした湿度の高い霧の中は、まるで空気の風呂に入っているようだ、と未来はぼんやり考えた。夏場のじめっとした部屋の暑さには耐えられないが、この低温蒸気風呂というものは奇妙な心地よさがあった。

 この霧も見ていて面白いし、肌に触れるのも面白い。手でかき回してみても触れはしないのだが、しかしなんとなく重さは感じる。霧の粒が肌に当たるのを感じる。触れた瞬間は、錯覚なのか少しひやりと感じる。肌にまとわりついたそれは汗と混じって少しぬくい。

 耳としっぽの毛にまとわりついた分は少し重たいが、それも気になるほどではない。 


 紙月もまた、この低温にじんわり温められる感覚は心地よかった。寒いのは苦手だが暑いのもしんどいというわがままボディの紙月だが、こうしてゆっくり丁寧に温められる感覚は、芯まで穏やかにぬくもることができた。

 つるりとした肌は水をよくはじき、霧の粒や汗が肌の上にたまっては流れ落ちていくのが少しくすぐったく、おもしろい。横で見ている未来はそれでちょっとドキドキする。それを知っている紙月は妙に上ずる気持ちもある。


 肌の弱さから長風呂すると荒れることもある紙月だったが、この霧はなんだかしっとりとしみ込んでくるようで、それもまたうれしい要素だった。

 二の腕をそっと撫で上げてそのしっとりを楽しんでいると、さもありなんとウラノが頷いた。


「この霧、結構気持ちいいだろ? なんでも何種類かの薬草を煎じて蒸気に混ぜてるんだって」

「へえ! それで不思議なにおいがするんだね!」

「え、するか? ……言われてみれば、なんかちょっと薬っぽいか?」

獣人(ナワル)の鼻にはわかるのかな。前はもっと強いにおいだったらしいけど、苦手な人もいるってことでね」


 紙月にはあまり感じられない程度の香りだが、言われてみれば何となく薬草っぽいというか、ハーブっぽい、スパイスっぽい気もする。それが未来にはいくらか敏感に感じ取れるようだった。

 これがもっと強くなるとなると、漢方っぽさが強くなってしまって、紙月には厳しかったかもしれない。未来は嫌いではないが、それはそれとして変な顔はしたかもしれない。


「細かい調合は企業秘密らしいけどね、肌にもいいし、鼻炎とか呼吸器系にもいいらしいよ。いわば吸うお薬だね」

「ほーん。髪にもよさそうだな」

「そうそう。ここでだけは髪まとめないで、霧を吸わせるんだよ」

「そういえばウラノは風呂入るとき髪どうしてるんだ? いつも髪留めか?」

「そうだね、ヘアピン(ハルピングロ)が多いかな」

「あれすぐ無くしちまわないか? 髪多いから面倒だし」

「あれはもう無くすの前提だね。安いの束で買ってさ。どこでも売ってるし。挟む形のやつは化粧するとき前髪あげるのにも便利だしね。シヅキはバレッタ(ハルクリポ)の方がいいんじゃない?」

「便利だし楽なんだけど、ほら、あれ湿気で金具がくすまないか?」

「あー、泉質次第でね。くすまないのもあるよ」

「高いだろ、それ」

「高いねえ。だから安いのを壊れる前提で」

「やっぱ消耗品だよなあ……」

「西方のカンザシとかも帝都なら見かけるだろ? あれは木製だしいいんじゃないかい?」

「髪が滑って全然まとまらねえんだよなあ」

「髪質が良すぎるのも困りものだねえ……あ、ヘアネット(ハレット)とかは?」

「あ、試したことねえな。どんな感じだ?」

「頭全部を覆う感じのやつは、ちょっと蒸れるかな。安いのはあんまり伸びない。でもヘアピン(ハルピングロ)とかみたいに突っ張る感じはないから、そこは楽かな。お団子作ってまとめる程度のやつもあるよ」

「フムン、難しくはなさそうだな」

「困ったら適当に頭突っ込むだけでもいいからね。高いのだと金糸とか使ってて、普通に余所行きのおしゃれにも使えるから、一つ買っておいても損はないよ」

「朝忙しい時も便利そうだな」

「まあ、そういう使い方すると、髪に変な跡がついてあとで困るけどさ」

「あるある~」


 左右から聞こえてくるきゃいきゃいした会話に、未来はちょっと入り込めなくて困った。

 話の内容もそうだが、なにしろ霧で姿が曖昧になっているのだ。そこに中性的なボイスが左右から聞こえてくると、わかってはいても脳が混乱するのだった。なおそういう未来もまだ声変わりしていないので、第三者が入ってきたら三種の音声に脳が混乱したことだろう。

 視線のやりどころに迷って目を迷わせていると、ウラノの腰が目に入った。腰に掛けたタオルの上からでも、湿気と汗で張り付いて《検閲済(ㄘんㄘん!)》がはっきり見て取れてスンとなる。三本目の足かと思った。

 逆を見ると紙月の腰のタオルにもやはりかすかに盛り上がりが見て取れて、今度はなぜか無性にドキドキしてしまったので、結局未来はどこを見るとでもなく霧に意識を飛ばすのだった。


 ちなみに最後のヘアネットについての話題だけはちょっとわかる部分があった。

 獣人向けの、しっぽを覆うネットを以前買ったことがあるからだった。

 ヘアネットの要領でしっぽを覆うもので、お風呂でうっかり抜け毛を散らばらせることがないという売り文句のものだった。便利そうだなと思って買ったものの、その後店で話をしてみたら、タオルといっしょで浴槽につけるのはマナー違反だとか、いやいや毛が落ちない方が大事なマナーだとか、この世界でもマナー論争があるようでげんなりしてしまい、結局使っていないのだった。


「う~……結構温まってきたな。水風呂行くか?」

「いや、水風呂はお勧めしないね」

「お、そうなのか?」

霧風呂(ネブラ・サウーノ)は低温だからね。あったまるまで時間がかかるんだ。よく考えずに温冷交代浴すると風邪ひいちゃうんだ」

「そんなものなんだね。サウナって水風呂とセットだと思ってた」

「そうそう、『ととのう』ってやつだな」

「はあ~……」


 ウラノはやれやれと言わんばかりに肩をすくめてため息をついた。


「ちょっとやっかいおじさんみたいなこと言いだしていい?」

「面白いこと言いだしたな」

「ぼく聞いてみたいかも」

「よしきた」


 了承を得て、ウラノは実に豊かな、しかし意味は分からないジェスチャーを両手で示しながらちょっとやっかいおじさんみたいな語りを始めたのだった。


「キミたちの言う『ととのう』ってあれだろ、『蒸し風呂恍惚(サウーノ・トランツォ)』のことだろ。わかるよ、言いたいことはわかるぜオレだって。蒸し風呂に入って、水風呂に入って、また蒸し風呂に入って、水風呂に入って、この繰り返しをいい感じにキメると、最高の気持ちよさに浸れるってやつ。そういう現象が実際にあるのは知ってるし、オレだってそういう体験はあるよ。でもこれって結局、身体と脳が興奮と弛緩を繰り返すことで、たまに混乱して興奮が残ってるのに弛緩してるっていう妙な状態になるやつなんだよ。興奮と弛緩の脳内麻薬がどっちも出ちゃってるから気持ちよくなってるんだ。ラリってんだよこれは。頭冴えてるのに幸福感いっぱいなんだからキマるよそりゃ。絶対体に悪いからねこれ。別に法で規制されてるわけでもないし、誰に迷惑かけるわけでもないんだからいいっちゃいいんだけど、身体にも頭にもいいわけがないんだよこれ。それに、偶然なるっていうんなら仕方ないけど、『蒸し風呂恍惚(サウーノ・トランツォ)』を狙って無理な蒸し風呂繰り返したら、血管とか心臓にも負担かかるし、脱水症状にだってなる。そもそも蒸し風呂っていうのは時には医者の世話になったり最悪死人だって出るようなことだってあるんだ。毎年だぜ、毎年何人もだ。それは蒸し風呂だけじゃなくて普通の風呂もだけど、わざわざ熱い湯につかったり暑い蒸気で満たされた部屋にこもったりとにかく普通じゃないことなんだ。今日は低温で短めだったから端折ったけど、サウナ楽しみたいなら必ず飲み物は持ってこないと。お茶はダメだよ。酒もね。オレも蒸し風呂歴そんなに長いわけじゃないけど、それでも倒れる人とかたまに見るし、無理して死んじゃった人の話も聞くんだよ。そういうのって本末転倒っていうか、事故はしょうがないけどキメ損ねて死ぬのはただの迷惑じゃないか。自慰行為だろそれって。公開露出自慰行為で周囲に迷惑かけるのはほんとダメだろ。公開露出自慰行為が気持ちいのはわかるけどさあ。わかったよそういう目で見るなよ怖いなそっち方面の話はしないよ。とにかくさ、結果としてラリっちゃうのは仕方ないしそういう楽しみもあるとは思うけど、ラリるのを目的として蒸し風呂来るのはどうかと思うんだよね。邪道っていうかさ。蒸し風呂そのものを楽しもうよっていうかさ。ラリりたいならそういうお店行けばいいんじゃないって思うんだよね。『蒸し風呂恍惚(サウーノ・トランツォ)』も蒸し風呂の楽しみの一つって言われたらそれはそうかもしんないけどさ、それならちゃんと理屈とか危なさとかしっかり学んでほしいし、素人がうっかり真似したりしないようにちゃんと周知してほしいなってオレは思うんだよね。

 わかるかい?」

「………うんっ! そうだなっ!」

「半分以上聞き流してたろ。まあいいんだけどさ。蒸し風呂って普通の風呂より事故が多い印象あるからさ、そこは気を付けて欲しいんだ」

「考えてみたらお風呂もサウナも、すっごく暑い場所にわざわざこもるって異常事態だもんね」

「そうそう。普通じゃないことなんだよ」

「そう言われると、そういう普通じゃないことに気持ちよさを見出すものなんだよなあ、人間」

「ま、そんなわけで、今日はあったまるだけにしておこう」


 そういうことになった。

用語解説


・《熱狂大猩猩(アブソルビタ・ゴリロ)》(Absorbita Gorilo)

 歴史は長くないが、北部出身者の店長が帝都でもサウナを楽しみたいと考えて始めた帝都唯一のサウナ専門店。実は風呂の神官がおらず、公衆浴場としての基準も満たしていないので補助金や免税はない。

 そのため客足は途絶えないものの経営には困っている。

 『帝国風呂いまむかし』によれば、帝都初の蒸し風呂の神官はこの店で天啓を受けて信仰の道に目覚めたとされる。


煙風呂(フマ・サウーノ)(Fuma saŭno)

 スモークサウナのこと。古いタイプのサウナで、原点に近いともいえる。

 煙突のない締め切った室内で薪を燃やしてサウナストーンと室内をあたため、薪が燃焼しきったところで煙を抜き、一酸化炭素が抜けたところでようやく入れる。

 半日かけてしっかり熱した部屋は数時間、あるいは半日以上熱が持つとされる。

 煙で燻された室内はスモーキーな香りに満たされ、温められたサウナストーンからの遠赤外線が体を芯から温めてくれるらしい。


霧風呂(ネブラ・サウーノ)(Nebla saŭno)

 いわゆるミストサウナ、スチームサウナ。

 蒸気で満たした室内であたたまるもの。湿度は100度近くあるが、室温は低めで50度以下。

 霧で満たされているため皮膚や呼吸器系への負担が少なく、温度も低いためじっくりと楽しめる。

 ハーブなどの薬効・香りをミストに込めることも多い。


・『蒸し風呂恍惚(サウーノ・トランツォ)』(Saŭno tranco)

 いわゆる『ととのう』というもの。温冷交代浴、つまりサウナであたたまり、水風呂で冷ましというのを繰り返すと稀に体験できるとされるある種のトランス状態とのこと。

 医学的には「興奮状態のアドレナリンが血中に残っている状態で、なおかつ神経の方はリラックス状態になっている」というバグみたいなことになっているとかなんとか。知らんけど。

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