表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/73

出航 3話

「あなた、これ…」


 食事が終わり、余韻に浸りながら決意を固めていると、妻が木箱と薄汚い包みを持ってきた。


「なんだこれ?」


「包みの方は、良く分からないわ。遥か東方の島からいらっしゃったそうよ。人じゃないモノと戦うと噂を聞いて来たとおっしゃってたわ。ご主人なら分かると」


 僕は、包みを解いた。


 中には、一巻の巻き物が一つ。広げて驚いた。


 船長の部屋で読んだ本に書いてあった。


 これは、冥界の扉を開くもの。血と肉と骨を引き替えに扉を開けたものを愛する死者を呼び寄せる。恐ろしいものだ。


 しかし、どうして?


 最後に銘が書いてある。ヤクショウツノ?漢字は苦手だ。


 使わないことを願う。みんな安らかに眠っていてほしい。


 もうひとつ。


 木箱には、マグナムリサーチ社と書いてある。


「これは?」


「宣伝になるから使ってくれって、新製品らしいわ。44口径の世界一強力な拳銃なんですって。フリント式なんか時代遅れって言ってらしたわ」


 そんな、目を輝かさなくても。


 俺が留守の間に、布団とか水とか買わされてそうで一抹の不安がよぎる。


 マグナムは、ご丁寧にホルスターも弾丸も付いていた。有り難く使おう。


 そろそろ迎えの馬車が来る頃だ。


 妻の手を取り玄関の扉を開けた。「あなた、これ…」


 食事が終わり、余韻に浸りながら決意を固めていると、妻が木箱と薄汚い包みを持ってきた。


「なんだこれ?」


「包みの方は、良く分からないわ。遥か東方の島からいらっしゃったそうよ。人じゃないモノと戦うと噂を聞いて来たとおっしゃってたわ。ご主人なら分かると」


 僕は、包みを解いた。


 中には、一巻の巻き物が一つ。広げて驚いた。


 船長の部屋で読んだ本に書いてあった。

 これは、冥界の扉を開くもの。血と肉と骨を引き替えに扉を開けたものを愛する死者を呼び寄せる。恐ろしいものだ。

 しかし、どうして?

 最後に銘が書いてある。ヤクショウツノ?漢字は苦手だ。


 使わないことを願う。みんな安らかに眠っていてほしい。


 もうひとつ。


 木箱には、マグナムリサーチ社と書いてある。


「これは?」


「宣伝になるから使ってくれって、新製品らしいわ。44口径の世界一強力な拳銃なんですって。フリント式なんか時代遅れって言ってらしたわ」


 そんな、目を輝かさなくても。


 俺が留守の間に、布団とか水とか買わされてそうで一抹の不安がよぎる。


 マグナムは、ご丁寧にホルスターも弾丸も付いていた。有り難く使おう。


 そろそろ迎えの馬車が来る頃だ。


 妻の手を取り玄関の扉を開けた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ