出航 3話
「あなた、これ…」
食事が終わり、余韻に浸りながら決意を固めていると、妻が木箱と薄汚い包みを持ってきた。
「なんだこれ?」
「包みの方は、良く分からないわ。遥か東方の島からいらっしゃったそうよ。人じゃないモノと戦うと噂を聞いて来たとおっしゃってたわ。ご主人なら分かると」
僕は、包みを解いた。
中には、一巻の巻き物が一つ。広げて驚いた。
船長の部屋で読んだ本に書いてあった。
これは、冥界の扉を開くもの。血と肉と骨を引き替えに扉を開けたものを愛する死者を呼び寄せる。恐ろしいものだ。
しかし、どうして?
最後に銘が書いてある。ヤクショウツノ?漢字は苦手だ。
使わないことを願う。みんな安らかに眠っていてほしい。
もうひとつ。
木箱には、マグナムリサーチ社と書いてある。
「これは?」
「宣伝になるから使ってくれって、新製品らしいわ。44口径の世界一強力な拳銃なんですって。フリント式なんか時代遅れって言ってらしたわ」
そんな、目を輝かさなくても。
俺が留守の間に、布団とか水とか買わされてそうで一抹の不安がよぎる。
マグナムは、ご丁寧にホルスターも弾丸も付いていた。有り難く使おう。
そろそろ迎えの馬車が来る頃だ。
妻の手を取り玄関の扉を開けた。「あなた、これ…」
食事が終わり、余韻に浸りながら決意を固めていると、妻が木箱と薄汚い包みを持ってきた。
「なんだこれ?」
「包みの方は、良く分からないわ。遥か東方の島からいらっしゃったそうよ。人じゃないモノと戦うと噂を聞いて来たとおっしゃってたわ。ご主人なら分かると」
僕は、包みを解いた。
中には、一巻の巻き物が一つ。広げて驚いた。
船長の部屋で読んだ本に書いてあった。
これは、冥界の扉を開くもの。血と肉と骨を引き替えに扉を開けたものを愛する死者を呼び寄せる。恐ろしいものだ。
しかし、どうして?
最後に銘が書いてある。ヤクショウツノ?漢字は苦手だ。
使わないことを願う。みんな安らかに眠っていてほしい。
もうひとつ。
木箱には、マグナムリサーチ社と書いてある。
「これは?」
「宣伝になるから使ってくれって、新製品らしいわ。44口径の世界一強力な拳銃なんですって。フリント式なんか時代遅れって言ってらしたわ」
そんな、目を輝かさなくても。
俺が留守の間に、布団とか水とか買わされてそうで一抹の不安がよぎる。
マグナムは、ご丁寧にホルスターも弾丸も付いていた。有り難く使おう。
そろそろ迎えの馬車が来る頃だ。
妻の手を取り玄関の扉を開けた。