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冷たい玉座 8話

「牧神がなんだ!ただの慌て者じゃないか!」



 僕は汽笛に負けないように叫んでいた。



 牧神は、宴に乱入した怪物から逃げる時に変身に失敗した。

 他の神々が山羊や馬や、魚に変身して逃げたのに中途半端に全部がごちゃまぜになった。

 パニックの語源だ。

 かわいそうだからと、全てを持つもの(中途半端)と神になれた。



 それが、求めていたものならば否定しない。


 息子が望んだのなら否定しない。


 しかし・・・



『だれかが~』



 そう言った。



 そんなの認めない。


 誰かが嫌々やらなければならないことなんて壊して無くしてしまえば良い。


 必要ならまた創ればいい。



 維持が目的となりさがった組織も仕事も本当はいらない。



 なにより息子が、我が息子が諦めている事に腹が立った。



 船長も、僕も、諦めなかった。


 だから、僕は生きていられる。



「息子よ、フックよ。本当にネバーランドの王になりたいのか?」



「止めても、無駄だよ」



「ならば、容赦はしないぞ?何が不満なんだ?」



「不満なんか無いよ、パパもママも大好きだ。ただね・・・」



「ただ?」



「僕はパパの子供だから。パパみたいな冒険もしてみたい」



「パパみたいな?」


 僕は冒険なんかしていない。


 生きる為に必死だった



「本当に信じ合える仲間、尊敬できる人。不思議な事。大冒険じゃないか」



「そら・・・」

 たしかに。



 と、思った瞬間。


 僕の身体は稲妻に打たれたかのように激しく打ち付けられた。


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