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邂逅 3話

 扉らしき物を開いて中に入る。



 小さな机らしきもの、ちいさな椅子らしきもの。



 そして人だったらしきもの。



 死体って骸骨になると意外とグロくないよね。



 誰かが言っていたな。



 骸骨が机に突っ伏している。

 小さな手帳に小さく小さくびっしりと日記が付けてある。

 最後は書く場所なくなるくらい。



 パラパラと読み飛ばす。



 どうやら、ここに出口は無いようだ。

 歩いても歩いても戻ってくるらしい。

 帰れない事よりも、死ねずに生きる事にしがみついていることの辛さと死への恐怖がつづられている。



 入り口があるのなら出口が無いはずは無い。

 それこそドーナツの穴は必ずあるようにさ。



 さて。



 僕は、そこら中を蹴り飛ばし権で切り裂き、落ちていた棒でボコボコにした。

 そうして小屋はあっという間に瓦礫になった。



「埋めてやれないから、これで勘弁して下さい」



 僕は、瓦礫に火を付けた。



 小さな灯火から煙りが上る。

 パチパチと、はぜる音がする。

 だんだんと、火から炎へと大きくなる。



 僕は、その間にも廃材を運んでくべた。

 煙りが朦々とあがり、炎が轟々と立ち上る。



 地震!?



 グラグラと地面が揺れている。

 いや、壁も床も全てが暴れているかのように揺れている。



 そして、天から光が差し込んた。



「船長、何をしているんです?」



 スメーの、のんびりした声が降り注いでくる。



 ほら、出口はあった。



「盛大な火葬だよ。燃えない縄梯子を降ろしてくれ」



 直ぐに梯子が下りてきた。



「よし、あげろ」



 僕は、ぱちぱちと昇る火の粉とともに天へ昇る。

 船へと帰る。



 あの骸骨の魂も帰れたかな?


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