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邂逅 2話
甘かった。
こんな小さな鉛玉じゃ意味が無かった。
僕は、鈎爪で壁を傷つけながら奥へ奥へと進んだ。
どれだけ歩いただろう?
少し開けたところに出た。
少し驚いた。
恐らくワニが飲み込んだ物だろう。
骨やら流木やら小舟やらが散乱している。
そして、小さな小屋のような物が建っている。
また、ベタベタだな。
僕は苦笑いをしながらも急く気持を抑えるので精一杯だ。
もしかしたら、もしかしたら。
船長も僕のように生きていて。
この中で生きていて。
この扉を開けると。
「よぉ。久しぶりだな。でかくなったな」
とか、言うのかな。
ぎいーと古めかしい音を立てて扉を開いた。




