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黒き白銀の妖精 1話
さてと。
僕は、船から降りるとため息をついた。
次の目的地は、なかなかやっかいだ。なにせ気まぐれに移動してしまうし、どこにいるか分からない。
そう、僕の次の目的地は、一匹の妖精だ。
他の妖精に居場所を聞こうにも、妖精は人間を見ると一目散に逃げてしまう。
僕がロストチャイルドの時も、そうだった。
ただ、その妖精の女の子だけが逃げずに微笑みをくれた。だから、忘れない。
妖精の存在を信じていられる。
だから、僕は、家からピーターパンを見張れた。
普通の大人には、妖精もピーターパンも見えない。
信じていないから。
さておき、困った。
公園の中を探してみたけど、僕を見た妖精が泣きながら逃げていくばかり。
正直へこむ
しかし、諦めるわけにはいかない。
彼女の事を、よく考えよう。彼女は、月光浴が好きだったな。
この広い公園で月の光が当たる場所なんて腐るほどある。
ホントに困った。