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ネバーランド 5話

「総員、戦闘配置。魚を船倉にしまってからで十分間に合う、みんな慌てないでくださいね」



 僕は、くすくすと子供のように微笑みながら甲板前部へ向かう。



 待ち望んだ、待ちこがれた。



 水面に影が映り始める。


 ワニ。

 そう呼ぶにはあまりに巨大。


 そういえば、恐竜っていう怪物が大昔に生きていたって博物館に骨が飾ってあったな。



「船長!総員配置完了!いつでもいけます!」



「エンジン全開!ぶちかませ!」



 ヴォー!


 煙突から黒煙が吹き上がる。


 船は真っすぐにワニへ突っ込んで行く。


 砕氷船の先端を応用したものだワニだろうが氷だろうが砕いてみせる。



「衝撃にそなえろ!しっかりつかまりな!海へ落ちても助けないよ!」



 船が大きく揺れる。


 ワニの巨体が海面で踊る。



「右舷、砲門開け!準備ができたら撃って行け、当たらなくていい。餌を撒け」


 大砲が火を噴き水柱が上がる。



 ワニは巨体を滑らすように避けて行く。


 しかし、少しだけ海面が赤い。


 最初の衝撃で少しは傷ついたようだが、素知らぬ顔だ。



「ふん、その鈍さが命取りだ」



 船から血と動物の肉がばら撒かれる。



 しばらくするといくつもの影が踊る。



 水面に三角の突起が立つ。



「ワニ!サメの餌になっちまいな!」



 シッポをサメに齧られながら、腹にもサメに噛み付かれながらワニが大きく口を開いて僕に襲いかかる。



「は!いいざまだね」



 僕は、ワニの口へと飛び込んだ。


 あのときの船長のように畏れず雄々しく飛び込んだ。


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